MAMIYA C33をぶら下げていると、
若い女性から声をかけられることもあった

機動性もコスパも最悪のこんなカメラをあえて持ち出したのは、もちろんオールドレンズならではの趣深い写真が撮れるというのが第一だが、前の旅で犬に期待した役割を担ってもらえるかもしれないという理由も大きかった。

そして、その目論見は当たったのである。

旅先の観光名所に行けば、人々が写真撮影を楽しんでいる。
大多数の人はスマホ、中には最新のデジタル一眼やミラーレスを構えているカメラ好きらしき人もいる。
でも、バカでかくて古臭いこんな2眼レフカメラを「よっこらしょ」と持ち出す奇特な人は僕以外に見当たらず、苦労しながら各種の設定をしたのち胸の前に構え、やっとのことでカチャリとシャッターを切っている有様は、嫌が上にも人目を引いた。

車中泊の旅を盛り上げてくれたフィルムカメラと、『ゆるキャン△』の存在感_1
MAMIYA C33を構える筆者
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僕がこのカメラをいじっていると、楽しい観光地にいることによる気の緩みも手伝ってか、興味を持って話しかけてくる人が続出したのだ。

カメラがきっかけで会話をした行きずりの人の多くは、僕と同年代かさらに上の年代の男性だったが、こんな仕上がったおっさんである僕に、「そのカメラすごいですね」「古いカメラですね〜」などと声をかけてくる若者もいた。

驚くべきことに、若い女性から声をかけられたこともあったのだ。
若い世代の間でフィルムカメラが流行っていることは知っていたが、彼らはおそらくそんなブームに乗っているおしゃれさんなのだろう

いつになるかわからないが次回の車中泊旅にも、人との交流を生む必殺の小道具として、MAMIYA C33を持っていこうと考えている。


そんな僕の秋の車中泊5泊6日の旅は、最終日の第6日目となった。