過干渉の原因に少子化が影響

中学2年の少年の方は、教育熱心な親のもとで育った。2歳の頃から習い事三昧。小学4年からは塾と家庭教師をつけられて受験勉強。進学先も勉強法も何もかも親が決めたものだった。
猛勉強の結果、中学受験には合格したものの、入学後、定期テストの成績が平均だったことにショックを受け、不登校に。そのまま欠席がつづいて中退することを余儀なくされた。

先の教員の言葉である。

「親御さんのタイプとしては、母親が何から何まで手をかけて、父親がまったく干渉しないというケースが多いですね。あるいは母親がシングルで子育てにすごく思い入れがあるケース。どちらもブレーキ役、あるいは背中で引っ張っていくはずの父親が不在といった特徴があるように感じます」

なぜ過干渉の親が増えたのか。教育関係者の意見は多様だ。

きょうだいの減少によって子供1人にかかる期待が大きくなった、教育コストが上がって子供に対する要求が高まった、親が社会的に孤立することで必要以上に子供への関心を向ける、「親の教育が子供の将来を左右する」という考えが強まった、甘やかされて育った子供たちが親になって同じことをしている、子供への管理主義が強固になった、厳しさより優しさが重要視されるようになった……。