泰梨院圧死事故が政権に飛び火

泰梨院圧死事故でやり玉に。韓国・尹大統領の「通勤警備800人問題」_1
韓国・尹錫悦大統領
すべての画像を見る

「今回の惨事が尹錫悦(ユン・ソギョル)政権の“終わりの始まり”になるかもしれません」(韓国紙東京特派員)

ハロウィンを前にした10月29日の夜遅く、韓国ソウルの繁華街・梨泰院(イテウォン)で起きた圧死事故では、人々が折り重なるように倒れ、150人以上の死者を出した。

当日の梨泰院地下鉄駅の乗降客が13万131人(韓国交通公社発表)と、昨年の2倍以上もの人出があったにもかかわらず、警備の警官がわずか137人しかいなかったことから、当初、世間の批判は警察当局や社会安全部に集中していた。

ところがここに来て、尹大統領の通勤の警備に、大量の警察官が動員されていることに注目が集まり、大統領府にも批判のホコ先が向けられるようになったのだ。

韓国の歴代の大統領は大統領府のある青瓦台内の公邸に住みながら執務を続けてきた。しかし、尹大統領はその慣例を破り、ソウル瑞草(ソチョ)区の自宅から龍山(ヨンサン)区の旧国防部庁舎に設けられた大統領執務室まで毎日、通勤をしている。

青瓦台を帝王的な権威と見なし、「大統領府を別の場所に移転し、青瓦台を市民に開放する」とした大統領選での公約を果たすためだ。