素顔は真面目でクレバーなエリート
名門ジュリアード音楽院で演技を学び始めた2006年には、クラスメートだったジョアン・タッカー(のちの妻)と“AITAF” =Arts In The Armed Forces(軍隊の中のアート)という団体を創立し、世界中に散らばる米国軍人をアートでサポートする活動を始めました。
クセの強い個性的なキャラクターを演じることが多いアダム・ドライバーですが、素顔はとっても真面目でクレバーなエリート青年。演技と家族を愛する地に足のついた常識人だからこそ、振り幅の大きい役柄を説得力を持って緻密に演じられるのかもしれません。
次回作は再び『マリッジ・ストーリー』のノア・バームバック監督作品です。
ドン・デリーロの原作の『White Noise』(22/原題)で、4回離婚歴があり、死への恐怖から逃れられない、ヒトラー研究を専門にする大学教授を演じます。
またもや不気味な名演技を見せてくれそうな予感。
これからもアダム・ドライバーの魅力から逃れられそうにありません。
アダム・ドライバー●Adam Driver 1983年11月19日、米・カリフォルニア州サンディエゴ生まれ。身長189cm。主な映画の出演作は『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』(13)、『ヤング・アダルト・ニューヨーク』(14)、『パターソン』(16)、『ブラック・クランズマン』(18)、『マリッジ・ストーリー』(19)など。
文/中島由紀子 構成/松山梢