ネットいじめの4つの特徴

まず学校でのリアルの問題がこじれ、それがネット空間に持ち込まれ、より陰湿ないじめへとつながる。そして、それがさらにリアルのいじめを悪質化させるといった悪循環が起こるのです。

たとえば、クラスの中である生徒が「陰キャ(暗い)」とされてバカにされていたとしましょう。それが放課後になってネット上で、別の悪口を生んだり、家族やきょうだいの罵倒になったりします。時には画像や音声がさらされることもあるでしょう。そして、それが学校にもう一度持ち込まれ、その子に対する過激ないじめへと発展するのです。

身体的な暴力を伴った昔のいじめの方がネットいじめよりひどかったと考える人もいるかもしれません。しかし、必ずしもそう言い切れるわけではありません。

ネットいじめの特徴はおおよそ次の4つに大別できます。

① いじめが24時間365日にわたって継続する
② 画像の加工など従来にない嫌がらせが起こる
③ 匿名性が高く、加害者の特定が困難
④ ネット言語に対する大人の無理解


かつてのいじめは、学校の中で完結していました。家に帰れば、少なくとも翌日に登校するまではいじめから逃れることができたのです。

しかし、ネットいじめは、家に帰った後にこそ起こるものです。具体的には、SNSで深夜まで悪口を言われる、自分以外のみんなが別のグループをつくって馬鹿にする、加害者から嫌がらせのメッセージが届く、といったことです。

つまり、いじめられている子は、帰宅後も24時間にわたっていじめやその不安に怯えることになります。その精神的苦痛は、学校だけのいじめよりはるかに大きいと言えるのです。