心の闇が性非行につながるケース

現在、日本には少年院が全部で47庁あり、性非行で捕まった少年たちは各庁へ送られる。

それぞれの庁で性非行防止プログラムが行われているものの、特に2庁(福岡少年院、北海少年院)は性非行防止の重点指導施設とされており、年に2回(1クール約4カ月)、各少年院から集められた少年が、1クール8名の枠で専門のプログラムを受けている。

これまで私はこうした少年院をはじめ、民間の医療施設、児童自立支援施設、更生保護施設など多くのところで性非行に手を染めた人々に話を聞いてきた。その中で感じるのは、大きく2つのタイプにわかれるということだ。

①不良タイプの少年が行う性非行
②ゆがんだ支配欲で行う性非行


①に関して言うと、例えば腕力の強い不良が、近しい女性や家出少女に対して性交を強要するものだ。主に性欲を晴らす目的で行われるもので、ある意味、犯行動機は明確で単純だ。
他方、②のケースは犯行動機が複雑で理解するのが難しい。本人が抱える心の闇が、異常な形で性非行へとつながるケースなのである。
具体的な例を示そう。