「誘い〇〇」のキャラクターを演じてみたい!
――葉山さんはドラマCDやボイスドラマ、朗読劇など声優のお仕事でBLに関わられていますが、BL好きな声優として何か意識していることはありますか?
単純に学生の頃からBLを嗜んでいた方がキャラクターに命を吹き込むのと、ずっとファンで読んできてキャラクターに命を吹き込むのでは明確に熱量が異なるとは思います。でもやっぱりお仕事ではあるので、これまでメインキャラクターの声を当てた2作品(『そのアホ捕まえといてください! 』、『嫌いな奴とくっつく魔法にかかる話 』)に関してはいらない熱を出さないように意識していたかもしれません。とはいえ、そこまで作品に出ているわけではないので、まだまだ勉強中です!
――今後BL作品で「こういうキャラクターを演じてみたい」という願望はありますか?
本当にBL好き目線での願望になってしまうのですが……(笑)。相手より自分の方が小柄な見た目の「誘い攻め」または「誘い受け」を演じてみたいです。今までBL作品で演じてきたキャラクターが「子犬系」「スパダリ」「物静か」「ツンギレ」だったので、それらとはまた違ったムンムンな色気を醸し出した肉食系のキャラクターをやってみたい!
コミカルなノリのハッピーな作品で、僕演じる「誘い〇〇」系のキャラクターが相手に食ってかかる。食われる側のキャラクターがワタワタするのも良し、逆に食われ返されるのもよし。考えるだけでも楽しいですね(笑)。
――葉山さんの演じる「誘い〇〇」、とても聴いてみたいです……! それでは最後に、葉山さんが感じるBLの魅力を教えてください。
1番はなんといっても楽しいことですね。「秘匿性の高いジャンルだから惹かれた」とお話しましたけど、今ではほかのジャンルと何ら大差なく楽しめるジャンルであると感じています。学生同士のラブコメ作品や大人向けの人間ドラマが描かれた作品、自分の持つ価値観に問いかけてくるような深い作品もある。さらにマンガだけではなく、小説、ゲーム、映像作品、音声作品など多様なコンテンツで作品を楽しめるんですよ。
僕はBLの様々な作品やコンテンツからたくさん栄養をもらっています(笑)。そういう意味でもBLというジャンルは僕にとってなくてはならない、本当に大好きなものです。これからも大切にしていきたいなと思っています。
取材・文/阿部裕華
撮影/小川遼