BLから青春を摂取していた高校時代

――学生時代は使えるお金が限られているので、さまざまな作品の中から選りすぐりの一冊を買っていたと思います。当時は何をポイントに作品選びをされていましたか?

基本的には巡り合わせで、最新作の中から表紙を見て「この2人のお話ならおもしろそう」「この絵のタッチが好き」と思った作品を読んでいる感じでした。中でもぢゅん子先生、SHOOWA先生、腰乃先生、山本小鉄子先生の作品はよく読んでいましたね。

とはいえ僕、いわゆる“雑食”なのであまりこだわりがなかったんですよ。「こっちにいい匂いがするぞ……」と自分の嗅覚やセンサーを頼りに選んでいました(笑)。

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――雑食ということは好きな要素とかもなかったんですか? 例えば、「こういうカップリングが好き」「こういうジャンルが好き」みたいな。

それはありました! 最初に好きだと自覚したのは、「ヤンキーくんとメガネくん」のような対極のキャラクター同士のカップリング。全く別の方角に引っ張り合っているような関係性がよくて。それこそ『コンビニくん。』はメガネではないですけど、引っ張り合っている関係性がよかったんですよね。あとは「ワンコ属性」も好き!

ジャンルは問わずに読んでいましたけど、特に「高校生〜大学生くらいの青春もの」をよく読んでいた気がします。青春を味わいたくて仕方がなかったんでしょうね……。中学時代に友達と遊ぶことが少なくて、高校で寮生活になっていろいろと解放されたんですよ。青春を味わえなかった反動が、選ぶBL作品にも影響していた気がします(笑)。

――BLから青春の養分を摂取していたわけですね(笑)。友達とBLの話しをすることはあまりなかったのでしょうか。

高校生の時にマンガ・イラスト部に所属していたのですが、そこで絵を描きながら、読んだ作品や二次創作の話しをちょこちょこしていましたね。ただ、当時からBLの秘匿性の高さが良いと思っていたので、隠しているわけではありませんでしたが、誰とでも話すわけでもありませんでしたね。

山奥で暮らした中学時代「秘匿性の高さに惹かれた」--声優・葉山翔太が語るBLの魅力_6