クルマに乗ることがこんなに楽しいなんて

クルマに求めることは性能や機能、乗り心地など人それぞれですが、いちオーナーとして「Jeepの魅力はどこにあるか」と問われたら、それは「合理性では語れない豊かさ」にあると思います。

Jeepについてインターネットで調べてみると、ほかのクルマもそうであるように、さまざまな欠点やデメリットなどが挙げられますが、私個人としては「それってそんなに大事かな?」と思うものばかり。

また、たとえそれらが事実だとしても、誰かについつい語りたくなる歴史や、古くから継承される美しいDNA、そして冒険や自由を掻き立てる遊び心などから醸成される、"乗っているときの楽しさ"がそれを上回ってしまうのです。

「考える葦」で有名なブレーズ・パスカルの『パンセ』の中に、「ウサギ狩りに行くハンターに、はい、ウサギ!と手渡しても喜ばれない。なぜなら、ハンターが求めているのは狩だから」という話がありますが、それと似たように、Jeep乗りがクルマに求めているのは「目的地にたどり着くこと」ではありません。Jeepに乗ることは手段ではなく、それこそが目的と言ったらよいでしょうか。だから、下手すれば目的地に辿り着かなくたっていい。Jeepには、そんなふうに合理性では割り切れないところに魅力があるような気がします。
 
こう書くと販売店であるStellantisジャパンやディーラーさんから「いやいや、今のJeepは性能も機能もいいよ!」と怒られてしまったり、熱烈なほかのオーナーからは「いや、違う。真の魅力は…」と反論されたりしそうですが、これはあくまで、いちオーナー個人の「Real」な意見ということでご承知おきを。

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文/水川歩 
写真提供/Stellantisジャパン