リアルと3D世界をつなぐ「ZEXAVERSE TOKYO」

ワールドスキャンプロジェクトは、これまでにスキャンしたデータを生かしたメタバース空間「ZEXAVERSE」を開発している。

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そんな世界を体験できる施設が、2022年7月16日、マロニエゲート銀座内にオープンした「ZEXAVRSE TOKYO」だ。近未来的な空間の入り口には、来場者の全身を3Dアバターに変換する「ZEXA GATE」というスキャン装置が鎮座。

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こちらが「ZEXA GATE」。3Dアバター化するため6Kカメラが130台も設置されている

スキャニングは、こちらの装置の真ん中に入り、手を広げてしばし待機していると、バシッ!とストロボが焚かれる。全身があらゆる角度から撮影され、フォトグラメトリという技術によって、色情報と共に全身が3Dデータに変換されていく。

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撮影後、しばらく待つと全身の3Dデータ化が完了。時計の文字盤が読めるほどの精度でスキャンされた全身に、骨格データを埋め込むことで、体の部位も自由に動かせるアバターが完成するのだ。

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生み出されたアバターは「ZEXAVERSE」というメタバース空間に出現させることが可能で、現実世界では特別なツアーや調査目的でないと行けないエリアにも、ためらいなく入っていける。普通は遠くから眺めるしかないスフィンクスだって、目の前で写真を撮ったり、身体の上に登ったりすることも可能だ。

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事前にスキャンしていた編集のアバターとスフィンクス

積み上がっている石を眺めると、ひとつひとつサイズや形、ひび割れなど細かく再現されており、驚くほどのリアル感がある。また、スキャンされたアバターは、計測した人のほぼ身長大サイズになっているため、積まれた石のサイズと身長を比較することも可能。

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アバターのサイズは、ほぼ実物の身長大
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想像よりものっぺりとしたピラミッドの屋上まで登り、記念撮影もできる

アバターと3Dモデルを活用することで、人間の目線やスケールが強調され、写真や動画よりも理解が深まるように感じられる。むしろ、生身では行けないエリアにも入れるので、ある意味現実よりも贅沢な体験なのかもしれない。バーチャル空間での世界体験はコロナ禍の代替品ではなく、メタバースならではの特徴を活かした、現実以上に価値のあるものになっていくことだろう。

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世界各地のスキャンデータを含む新たなワールドを準備中だというから、ZEXAVERSEの発展が楽しみだ。3Dスキャンやメタバース空間を楽しめる「ZEXAVERSE TOKYO」の宇宙船のような内装には、SF映画の世界観に憧れていた市川氏のバックグラウンドも現れている。現実世界と3Dをつなぐ、まさに近未来のような体験を、ぜひ味わってみてほしい。