ドローンの開発や教育事業も
ワールドスキャンプロジェクトは、調査を行うドローン自体の開発も独自に行っている。陸上だけでなく、水中3Dスキャンロボットの天叢雲剣(MURAKUMO)もそのひとつだ。映像だけではわからない海中の形状を明瞭に取得でき、2020年には90年以上場所が分からなかった沈没船「蕨」の発見と3Dモデル化にも成功した。
さらに、その技術を駆使して、コロナ禍で修学旅行や学校行事が中止になった子どもたちに向け、「3次元バーチャル修学旅行」も提供している。精巧な3Dデータを間近で見たり、専門家の解説を交えたりと、3Dならではの特徴を活かせば、その体験は現実以上に深みがあるものになり得る。
「授業でもただVRを体験するだけではなく、ドローンの操作と合わせて教えていますが、これはいろいろな機械に触れて自ら動かすことで、教育の現場でも好奇心を大切にしてほしいからなんです」(市川氏)
今でも各地の調査をするときには、大好きな映画『インディ・ジョーンズ』のBGMが頭の中で聞こえるという市川氏。映画の世界に憧れた好奇心が、CGやドローン、スキャンなどの技術と組み合わさり、現実と空想を軽やかに繋いでいるのだ。