【高校野球とヒト】
監督をコロコロ代えるチームは勝てない?

甲子園に出場経験のある高校野球部における監督の指導歴を調べると、83.9%が11年以上も同じ高校で指導していることがわかりました。

一定期間のサイクルで異動することが多い公立高校では難しいでしょうが、同じ人物が長く監督を続けることで成果が上がっているのです。

これには様々な要因が考えられます。長い監督歴のなかで色々な失敗を経験し、指導法や運営法が洗練されていくから。中学野球チームとの関係性が築けて、好選手が安定して入学してくれるようになるから。チームの方針が選手や保護者に浸透し、監督のイメージに近い運営がしやすくなるから……など。

スポーツで名を売りたい私立高校に目立つのは、早期に「甲子園」という結果を欲しがるあまり、経営陣が指導者をコロコロと交代させることです。なかには毎年のように監督が代わる高校もありますが、いくら施設や選手勧誘に金をかけても継続して強いチームをつくるのは難しいでしょう。

監督が代わってすぐに甲子園に出場するケースもあります。しかし、その代わった監督の指導力が原動力とも考えられる一方、それまで指揮を執っていた前任監督が育てた選手が結果を出したとも捉えられます。

監督の適性を見極めるのは大切ですが、一定期間の猶予を与えることもチームマネジメントの上で重要と言えそうです。

【高校野球とモノ】
やはり強かった24時間管理体制の野球部

寮を保有している高校は71%。学校生活、部活動だけでなく、部員たちが寝食をともにする寮生活を行っているチームが一定の成果を挙げています。

寮生活のメリットはさまざまです。遠方の自宅から通えない有望な選手が入学できる。食事面を管理できるため肉体強化や体づくりにつなげやすい。掃除や洗濯を自分自身でするため自活能力が身につく。夜間練習など自主練習の時間や睡眠時間が確保できる、など。

野球はチームスポーツであり、チームスポーツでは、みんなで協力するチームワークが勝敗を分ける重要な要素になります。寮生活のように集団生活を行うことによって、野球以外でもチームワークが身につき、その身についたチームワークが野球につながっていくというメリットも考えられます。

また、近年のコロナ禍ではクラスターが発生するリスクもありますが、平時では部員の体調管理をしやすくなります。