車移動の配達員は、毎回の現場で熱中症寸前に!!
一方、車移動の配達員は今年の夏をどう感じているのだろうか? 引っ越し作業や軽貨物運送の個人事業主組合「赤帽」の組合員に話を聞いてみた。
「夏場の引っ越し作業は毎回熱中症寸前になりかける」と嘆くのは、赤帽ツインズムー エクスプレス配達員の村松茂樹氏。
「今年の夏は、水を飲んでも飲んでも汗をかかなくなることがあります。その後耳鳴りが始まってきたら危険なサイン。特に引っ越し作業はゴム手袋を着用しているので、手のひらから熱を逃がすことができないんですよ。でも、途中で作業を中断するわけにはいかないので、とにかく早く撤収することを心がけます」(村松氏)
中でも特に身構えてしまう現場があるという。
「最も気温が上がる12時~15時の引っ越し作業は地獄。でも、荷造りの関係でお客様の希望が一番多い時間帯でもあります。配達員にとっては早朝の時間帯だと嬉しいのが本音です」(村松氏)
仕事歴26年のベテラン配達員、赤帽シンザン・カーゴの伊藤元也氏も、今年の夏は異常だと口をそろえる。
「今年は雨も多く、ジメジメしていて東京なのに、まるで亜熱帯地方にいる感覚があります。当たり前のように毎日35度を超えていて明らかにおかしい。汗もたくさんかくので、仕事中に3~4枚は着替えをしています。もはや毎日『自分はアスリートで、これはトレーニングなのだ』という気持ちで仕事に挑んでいます」(伊藤氏)
赤帽マハエ運送の鍬守嘉明氏は、この夏、こんなキツい仕事を体験した。
「夏だからと言って仕事の種類は選べません。先日もエレベーター無しの4階まで20kgの荷物を持ちながら20往復もしました! たとえ喉が渇いていなくても荷物を一つ降ろすごとにひと口麦茶を飲むことを繰り返し、熱中症は回避しましたが、大変でしたね」(鍬守氏)