受給開始年齢を先延ばせば…
実は、日本の年金は受給開始年齢が65歳となっていますが、受け取り時期は60歳〜75歳の間で選択できます。
ただし、早く受け取ると年金額が一月あたり0.4%減少し、遅らせると一月あたり0.7%アップします。例えば、元々の年金額が200万円の人が60歳から受け取る場合は、0.4%×60ヶ月の24%減少するので、152万円(200万円ー48万円)となり、一生涯この金額を受給することになります。
反対に70歳まで遅らせた場合は、0.7%×60ヶ月の42%増となり元々200万円の人だと284万円の年金額となります。
世界では、マクロ経済スライドのような制度が導入されている国は多くありません。ドイツやアメリカ、イギリスなどは支給を67歳に引き上げる予定となっています。(イギリスはさらに2046年までに68歳 に引上げ予定)
このように世界を見ると高齢化は先進国共通の悩みですし、年金財政の悩みも先進国共通なのではないでしょうか。もはや先進国において長く働くことは避けられないと思いますので、年金破綻といったトンデモを信じるのは自殺行為です。長く働けるように人的資本を維持することや将来に向けて少しでも投資をする方がよほど有意義だと思います。
文/井上ヨウスケ