注意すべきおわび表現

ここからいくつか、おわびとして使う場合には注意したほうがいいことばをピックアップします。もし愛用しているのなら、必ずしも使うのをやめなく てもかまいません。使う人の性格や状況と合っていれば、いい効果を生むこともあります。ただ、相手によっては 別の印象を持つということは念頭に置いてください。

△ご寛恕(ご宥恕・ご海容)ください

誰にでもできる! 謝罪の段階別・ビジネスお詫びメールの書き方_3

かなりかしこまった雰囲気ですね。特に「ご寛恕」は一般にはあまり耳にしない言い回しです。難しいことばが好きな人同士であれば、これらのことばの意味や使った意図が十分伝わるでしょう。でも、そうでない場合、自分が意味をよく理解しないまま使っても相手に伝わらないし、誤解を招くこともあります。

「寛恕」には「広い心で許す」という意味があります。「宥恕」「海容」も同じです。意地悪な見方をすると、心が広いのだから許せるでしょう? と迫っているようにも感じられます。本当に意地悪な見方ですが!

△お叱りは肝に銘じます

一見、反省しているようですが、これもあまりお勧めできません。

ポイントは「お叱り」です。実際「これはどう考えても今叱られているよな」と感じるシチュエーションでも、叱った相手は「私は叱ってない」と思っていることもあります。「単に事実を言っているのだが!?」と。「叱られ た、怒られた」と訴えるのは、指摘を受けた側による逆 マウントになることもあります。

「いただいた苦情を今後に生かし……」などという表現も、やはり避けたほうが賢明です。相手としては、自分が叱っているのか、苦情やクレームを言っているのかを、勝手に解釈してほしくないと思うはずです。

こういった場合は「お伺いしたことは肝に銘じます」 のように、相手の発言の種類を特定しない表現にすると、一気に感じがよくなります。「ご指摘を生かしてまいり ます」のように「ご指摘」とするのも、「お叱り」に比 べればずっとニュートラルに近い表現であり、悪くあり ません。