「いい素材、いい技術、いいデザイン。」のコンセプトで衣料品に新機軸

お弁当やスイーツといった食品はどこもしのぎを削ってなかなか差別化が難しいのが現在のコンビニ業界。そこでファミリーマートは衣料品にこそ新たな需要を取りに行ける、と確信していたということだろうか。

「いえ、ラインソックスのようなデザイン性のある衣料品をコンビニで売る、というのはかなりチャレンジングなことでした」

パリコレデザイナー起用で大ヒット。ファミマのラインソックスに新色登場!_3
商品本部 日用品・雑誌部の須貝健彦さん。もちろんTシャツは「コンビニエンスウェア」を着用

2021年3月の第1弾ではラインソックス、アウターTシャツ、今治タオル等を展開したが、その後もカラーバリエーションを随時増やしながら、今年4月19日にはエコリュック、5月31日にはヘッドバンド、6月28日にはレインポンチョが登場し、アイテムの総数はすでに75種を超える。

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6月21日に発売された新色のラインソックス(蛍光グリーン、蛍光オレンジ)。「コンビニエンスウェア」のファミマソックスは売上好調のため、今年3月から専用の販売什器を展開し、売り場を拡大

「コンビニエンスウェア」のポイントは、前述したように世界で活躍するデザイナー、落合宏理氏を起用したところ。ファミリーマートからのオファーに、落合氏は即快諾だったという。

「落合さんは2016年にリオ五輪閉会式で衣装担当をされており、その経験からファッションに新しい価値と可能性を広げたいと考えるようになったそうです。そこに弊社が声をかけさせていただいたところ、今までにない規模のお客様に、新しいライフスタイルを提案できるのでは、と考えていただけたようです」

現在でも週1、2回ほど「コンビニエンスウェア」の商品について打ち合わせを繰り返す日々。「商品開発において飽くなき探求心で一切の妥協を許さない。例えば、新色の蛍光グリーンや今治タオルでも、何度も何度も試作品を作って色やラインの幅をミリ単位で修正したりと、見え方を含めてすべてにこだわっている」と須貝さん。

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ラインソックス(コンビニホワイト)の足裏には英語とカタカナでブランド名を表記したデザイン。かわいさとブランド名を強くアピールできるという落合氏のアイディア
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パック売りが基本となるが、このパッケージのスタイリッシュさも含め、2021年度グッドデザイン賞を受賞した。SDGsの観点から、パックは小物入れとして再利用できるようにもなっている ※右写真はパッケージを再利用した使用例