元アイドルが力強く語る農業への想い

もちろん、上西自身も農業だけに専念することが必ずしも最善ではないと考えている。農業を一から学び、一人前の就農者になるまでには3年ほどかかると見込んでいるからだ。

「私は今23歳なので、3年経ったら26歳。そこからインフルエンサーとして発信を始めようと思っても、年齢的に難しい部分があるかもしれません。だからこそ、今のように農業を学びながら発信する活動を選んでいます」

タレントやインフルエンサーとして活動できる時間も意識しながら、農業を学ぶ過程そのものを発信していく。それが、上西の考える「さつまいも農家タレント」としての活動だ。

タレントと農家を両立して、農業に貢献したいと語った上西萌々(撮影/千駄木雄大)
タレントと農家を両立して、農業に貢献したいと語った上西萌々(撮影/千駄木雄大)

そして、目標は情報発信だけにとどまらない。将来的には、自分の名前を冠したさつまいものブランドを立ち上げ、農業経営にも関わっていきたいという。

「事業を拡大するためには、私自身がすべての農作業を担うのではなく、農業に関わる人を増やしていくことも重要です。そこで、今後は私だけですべてを賄うのではなく、畑を日常的に管理する人員を増やし、栽培面積を広げていく構想もあります」

栽培技術の習得、販路の開拓、人員の確保など、乗り越えなければならない課題は多い。それでも、アイドル活動で培った経験を農業に持ち込み、生産者と消費者をつなぐ存在になろうとする上西。芸能活動で培った発信力を、農業の現場でどこまで生かせるのか。その真価が問われるのは、これからだ。

「今までと同じやり方だけでは、農業界は変わらないと思っています。その入り口になれるタレントになりたいです」

そう力強く語った上西。畑での栽培やSNSでの情報発信を通し、生産者と消費者をつなぐ。乗り越えるべき課題はまだまだ多い。それでも、土を耕し、苗をじっくり育てるように、彼女の挑戦は一歩ずつ着実に進んでいる。

さつまいもが大地の中でじっくりと甘みを蓄えるように、タレントと農家という二足の草鞋で培う経験が、やがてどのような豊かな実を結ぶのか。農業界に新たな風を吹き込む「芽」の成長から、これからも目が離せない。

農業への情熱を語った上西萌々(撮影/千駄木雄大)
農業への情熱を語った上西萌々(撮影/千駄木雄大)

取材・文・撮影/千駄木雄大

ステージから畑へ…「さつまいも農家タレント」上西萌々(撮影/千駄木雄大)
ステージから畑へ…「さつまいも農家タレント」上西萌々(撮影/千駄木雄大)
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