イギリスでも国民に「3日分の備蓄」を要請していた
憶測を呼ぶもう一つの要因となっているのが、海外でも同様の動きが相次いでいることだ。
イギリス政府は10月22日、「Be Ready(備えよう)」と名付けたキャンペーンを発表した。
国民に対して、少なくとも3日分の飲料水や保存食を自宅に用意するよう推奨。懐中電灯、予備の電池、携帯ラジオなども備えるよう呼びかけている。
イギリス政府が想定しているのは、暴風雨や洪水、山火事などの自然災害に加え、電力や水道、通信といった生活インフラが使えなくなる事態だ。
また、同国では「戦争」や「サイバー攻撃」も現実の安全保障上のリスクとして警戒されている。
イギリスの国家サイバーセキュリティセンターは2026年1月、重要インフラに対する深刻なサイバー攻撃への備えを企業などに求める指針を公表した。攻撃によって重要なサービスが長期間停止する可能性も想定している。
こうした状況を考えると、イギリスの備蓄政策が戦争やサイバー攻撃と無関係というわけではない。
ただし、今回のキャンペーンは、差し迫った特定の攻撃を予告するものではない。政府の公式発表では、冬の暴風雨や夏の山火事などを挙げ、日常生活に必要なサービスの停止に備えることを主な目的としている。
しかも、イギリス政府は2024年5月から家庭向けの緊急事態対策を案内しており、今回のキャンペーンもその取り組みを発展させたものだ。
同様の動きは、イギリスだけではない。
EUの欧州委員会は2025年3月、域内の住民が緊急時に最低72時間、自力で生活できるよう備えることを推奨した。
この方針では、自然災害や感染症だけでなく、地政学的緊張、武力紛争、サイバー攻撃なども想定されている。
フランスやオランダ、アイルランドでも3日分の備蓄を推奨する取り組みが進められている。
ヨーロッパでは、戦争も含む幅広い危機に備え、家庭の防災力を高める動きが進んでいるのだ。












