グーグルの面接に呼ばれた〈変わり者〉の「たった1行」
私がグーグルでかかわった人事の中で、最高の選択のひとつと言えるのが、カーリー・コジアックを採用したことだ。カーリーは入社から順調に昇進を重ねて、現在はグローバル・プロダクト・リードという立場にいる。
私が彼女を面接に呼んだのは、彼女の履歴書にすばらしい実績が書かれていたから?いや、グーグルのような会社では、実績はあって当たり前。面接に呼んだ理由はほかにあった。履歴書には、輝かしい職歴とは別に、彼女の興味関心の記載があった。
「レーズン入りオートミールクッキーの完璧なレシピを探究中」
優秀な応募者が50人くらいいた中で、カーリーに会ってみたくなった理由は、ほかの50人の履歴書には見られない個性が垣間見えていたからだ。
〈変わり者〉で(聞いたことのない趣味)、〈無謀〉で(履歴書には不必要な面白味を入れる大胆さ)、〈詮索好き〉で(妙な好奇心)、〈執着する〉性質(完璧を目指すこだわり)。たった1行の記載でこれだけのことを伝えたのだから、実に効率的なコミュニケーションだ(それを〈冷酷〉に判断できるタイプでもある)。
履歴書に趣味を書けばいいという話ではない。〈変わり者〉になるというのは、何か奇抜なことを言って面接担当者の関心を引くことではない。自分らしさをベストな方法で見せることだ。履歴書に趣味を載せた人はたくさんいたけれど、カーリーの場合は、単なる「趣味:料理」や「食べ歩き」ではなかった。
彼女が披露したのは、少し特殊で、楽しくて、クリエイティブな一面だ。ほかにも数多くの情報を一緒に伝えていた。実際の面接で現れた本人も、履歴書の多彩な手がかりに一致していた。カーリーは合格したけれど、これは作戦勝ちというより、カーリー自身の勝利だ。自分らしさを真実味をもって伝えたことが功を奏したのだ。
際立とうとするなら、さらけ出さなくてはならない。芸もなくやたらに何でもさらけ出すのではなく、真実味をもってきちんと披露する。自分はどんな人間か――どう考え、どう問題を解決するのか、何が好きで、何が嫌いなのか、どんな価値観を一番大事にするのか――をはっきり示す。
それが①人生で追いかけたいものを決めるため、②実際にそれを追いかけていくために、絶対に欠かせないことだ。無難にしておくほうがいつだって安全ではあるけれど、その場合は結果も平凡で印象に残らない。
どんなキャリアであれ、印象に残らないのは致命的だ。人生は忙しいし、このクレイジーな世界では競争が激しいのだから、まるまっていたら爪痕は残せない。とがって、カドを立てなければ。













