「唯一無二の強化の仕方でいい」他大学を追わない早稲田の戦い方

――鈴木琉胤選手が、U23アジア選手権(5000m金メダル)から帰ってきて、「確実に勝ちに行きたかった」と話をされていました。

鈴木琉胤にしても本田桜二郎にしても、佐々木哲や工藤慎作、山口竣平もそうですが、勝ちの経験を持っている選手が増えてきました。そういう選手は大きな試合でも動じないので、安心して任せられます。

どの駅伝でも勝とうと思ったら、区間賞が1つだけでは勝てないと思っています。つなぎの部分、8〜10番目の戦力は、たぶん他大学に比べて少し落ちると思うので、3つ、4つ、できれば全区間の半分ぐらい区間賞を獲るチーム状況になってこないと。

チーム上位の7人が他大学の選手と勝負して、いかに圧倒できるかが大事です。

――チーム上位の7人は戦力として計算が立つ、ということですね。

トラックの成績でいうと、5000m13分30秒台までの7人ですね。工藤、山口竣平、吉倉ナヤブ直希、鈴木琉胤、そして、1年生3人です。

私たちが優勝した頃も、そういう選手が5人はいました。

各世代No.1ランナーの増子陽太(左)と鈴木琉胤(写真/和田悟志)
各世代No.1ランナーの増子陽太(左)と鈴木琉胤(写真/和田悟志)
すべての画像を見る

――駅伝は、他大学との勝負になります。夏の段階では、他大学はまだ意識できていないとおっしゃっていました。

意識できていないというか、あまり考えたくないというのもあります。

他大学を見てしまうと、あの大学があれだけやっているのだから、うちもやらなければいけないという考えに陥ってしまいがちなので。

あくまでも、自分たちのチームの基準で強くなっていくことが大事。私の中で、唯一無二のチームの強化の仕方で良いと思っています。

早稲田は、他大学よりも推薦枠が少ないので入学のハードルが高いですし、学業も疎かにできないので、合宿も限られた期間にしかできません。

それに、大学のバックアップがあるといっても、他の強豪校に比べると、決して潤沢ではありません。だから、早稲田は早稲田らしくやっていこうと思っています。それを私は大事にしていきたいです。

#1【「この1、2年で優勝したい」早稲田が今季“優勝候補”に浮上した理由】も読む

取材・文/和田悟志