「いくら嘆いても昔の価格は戻ってこない……」
一方で、実際に「億ション」を買った人はどう考えているのか。昨年、江東区でマンションを購入した30代会社員の男性に話をきいた。
「夫婦ともに大手町付近で働いているのですが、通勤利便性を考えて電車1本で行ける駅にマンションを買いました。価格は仲介手数料などを入れて1億円をちょっと超えるくらいです。タワマンなどではなく、普通のマンションです。豪華なラウンジなどもないですね。確かに昔イメージしていた『億ション』とは違いますが、大手町までは電車で10分くらいなので、『時間を買った』という感覚ですね。個人的には満足しています」(30代会社員)
「億ションなのにしょぼい」というSNS上での嘲笑についてはどう感じているのか。
「正直、この騒動についてはちょっと嫌な気持ちになりましたが、批判している人は東京のマンション市場のことをよく知らないのではないでしょうか。それに、そもそも誰かに羨ましがってもらうために家を買うわけではないので、よく考えたら『まあいいかな』と(笑)。
東京に限っては、もう『億ション』の定義を更新しないといけないですね。上がり過ぎたので暴落するという意見もSNSで見ますが、私はいくら嘆いても昔の価格は戻ってこないと思ってます。調整くらいはあるかもしれませんが……今できるベストの選択をするしかないかなと」
高騰してしまった東京のマンション市場。大切なのは、世間やSNSの見知らぬ他人に『羨ましい』と思われることではなく、自分の毎日の生活が快適に回り、無事に家計が成立することだろう。買うか買わないかも含めて、それぞれが「ベストな住まい」を選択していくことが肝要なのかもしれない。
取材・文/集英社オンライン編集部














