減税、非核三原則でも波紋…強まる「高市カラー」への懸念
積極財政路線を露わにする高市政権は、8月5日の臨時閣議において、飲食料品の消費税率を、2027年4月から2年間に限り、8%から1%に引き下げる方針を決定した。中低所得の現役勤労者らには、所得に応じて1%相当を上限とする給付を行い、対象者について飲食料品の消費税負担を「実質ゼロにする」という。
この方針について、高市総理は「2年後に私が責任を持って、確実に税率を元に戻してまいります」と発言している。中道改革連合の小川淳也代表も「2年後は大幅増税になる。影響は広範に及ぶ」と指摘。さらに、自民党内からも、「再増税は無理ではないか」という声が早くも噴出している。
「今のスケジュールでいくと、減税は29年3月までになるわけだが、その前の28年夏には参院選が予定されている。さらに、現在の衆院任期も30年2月までなので、その前後の解散スケジュールも無視できない。もうすぐ消費税を再度引き上げますという状況のなかで、選挙を戦うのは容易ではないのです」(自民党ベテラン議員)
秋の臨時国会では、消費減税の関連法案が提出される見込みだ。しかし、野党の多くは、物価高対策のためには給付が望ましく、2年間の飲食料品に限った消費減税は否定的な立場だ。そのため、与党の議席が過半数に届いていない参院での審議は難航する可能性もある。
「国民民主党の玉木雄一郎代表は『農業や外食産業への支援策や財源が曖昧』などと批判してきた。自民党内でも、小渕優子さんが党税制調査会などの合同会議後、財源論に加えて、『農家や中小・小規模事業者にさまざまな影響が出てくるが、どう対策するのか具体的な議論ができていない』と指摘していたが、現場の声をどこまで聞いて進めているのかという疑問が残っています」(前出・自民党ベテラン議員)
自民党内からもいまだに異論は出ており、森山裕前幹事長は8月7日の地元会合で、「財源をどこに求めるのか議論が始まっていない」と苦言を呈したという。8月6日の広島の平和記念式典に際しても、“高市カラー”が見受けられた。
「非核三原則の堅持に触れたものの、『我が国は、非核三原則を堅持しており』という現状説明にとどまる言い回しから、将来的な変更の可能性を示唆したのではないかと波紋が広がっています。高市総理は、総理就任以前、非核三原則の一つである『持ち込ませず』に不満を抱いていると公言していた経緯もあります」(自民党関係者)
官僚人事、減税政策、核議論……。様々な面で独自色を強めている高市総理について、別の自民党ベテラン議員は「正直、ここまでとは思わなかった」と困惑を漏らす。スピード感の一方で、独善的な政権運営が続けば、党内の求心力低下も免れない。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班













