“なんとかなる”という気持ちが大きい人なのかもしれない

サイバーエージェントの上司に退職の意向を伝えると、「遅かれ早かれこうなるとは思っていたけど、意外と早かったね」と言われたそうだ。そのくらい、朝比奈の麻雀熱は同じ会社で働く人間に伝わっていた。「昔から何かにハマると、熱中しちゃう性格。他のことが見えなくなる性質があります(笑)」。

家族にも退職の相談はせずに事後報告。両親には、特に反対はされなかったそうだ。「私は事務作業に弱いタイプなので、税金のことを心配されました。『ちゃんと払えるの? 確定申告とかできないでしょ…? ちゃんとやるんだったらいいけど……』みたいな」とやり取りを振り返った。

大手IT企業を退職しプロ雀士として生きることを決めた才女・朝比奈ゆり 業界期待のヒロイン候補の“生き方”に迫る_4

「父は昔から祖父に『医者になれ』と言われてきたと思うんですけど、それに反発しながら生きていました。だからこそ自分の子供が選んだ生き方を反対することをしなかったんだと思います。自分がやられて嫌だったことは子供にはしないと決めているのかもしれないですね」。

朝比奈のサラリーマン時代の経験は麻雀に活きている。「対局の反省点をしっかりと修正して、次に繋げる思考は社会人を経験する中で根付いたと思います。この考え方は自分を成長させていくことにおいて必要なことだと思っています」と力を込める。

安定した生活に別れを告げて、飛び込んだ厳しいプロ雀士の世界。そんな中で、朝比奈を突き動かすのは“麻雀が楽しい”という気持ちだ。「麻雀って本当に面白いんです。結局のところ、麻雀界でお仕事される方は“一に麻雀が楽しい”という気持ちがあるんだと思います。私も同じ。新しく知った楽しい世界に素直に飛び込んで今があります」と目を輝かせる。

「“最終的にはなんとかなる”という気持ちが大きい人なのかもしれないです。ちょっとだけ貯金もあるし、仮にそれが尽きてしまって“麻雀一本だと無理”となったら、また何かで一生懸命働けば良いと思います。そこは楽観的に考えているかもしれないですね」。

「プライベートの目標は特になく現在は麻雀が全て」と語る朝比奈
「プライベートの目標は特になく現在は麻雀が全て」と語る朝比奈
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インタビュー後編では、朝比奈ゆりさんの今後の目標や夢について聞いてみた。

取材・文/中山洋平 撮影/藤木裕之