「昔のオリジナルの方がよく聴こえる理由は……」
――では今回の2枚は、当時のものに比べると相当進化していると。
清春:当時のはすさまじくひどいんですよね、歌が。音質も良くない。特に『Drug-』なんかそう。でも、それが限界だと思っていて、いいと思ってやっていたんです。当時黒夢を好きだった人は今回聴いて、「音が違う」と言うと思うんですけど、それはシンプルに音が良くなっただけ。
当時のアルバムに勢いがあったかというと、今の僕らが聴くと、勢いもないんですよね。若くて青臭いというのはあるけど、パワフルだったとか、グルーヴしていたかというと、全然そんなことない。
ピッチも取れていないし、昔の僕の歌はリズムもめちゃくちゃ悪いし、滑舌も悪い。誤魔化しの集まり。今はもうちょっとまともに試合できるようになった感じ。
バレーの試合とかそうじゃないですか。弱いチームはまぐれでつないでつないで、こっそり相手のコートにボールを落としたり、誤魔化しながらやっている。でも強いチームって、スピードとチームワークとパワーで制圧する。
今回は後者。以前は前者で、相手が見ていないときに、スっとコートに入れるような、そういう姑息さの塊というか(笑)。
――いやいやいや、そんなことはないと思いますが…!
清春:でも、それなりに何かしようという気持ちは当時もあって、若いからそれがよかったんでしょうね。ただ、同じ議題で、同じ曲で、同じアレンジでやると、今と当時ではあまりにも差が出る。
昔のオリジナルの方がよく聴こえたとしたら、その理由は、「思い出」それしかないと思う。
で、今回のリテイクは、その思い出を凌駕できるぐらいのポテンシャルはある。「リテイクはやめてほしかった」という感想が出るのではなく、「これだったらいいな」という方だとは思いますね。
――「Sick」のように、もともとアルバムに入っていなかった曲を入れたり、逆に収録していない曲もありますが、それぞれに理由はありますか?
清春:去年からの再始動ライブで、やっていない曲は入れていないですね。逆に、ライブで外せない曲、「Sick」とかは入れようという話になって。本当は「FAKE STAR」とかも入れたかったんだけど、そうしていくとどんどんオリジナルから遠くなっていくからね。
「人時さん作曲の曲が外れている」みたいな声もあるんですが、僕らはそもそも、どちらが作った曲かなんてもはや覚えてない(笑)。













