人時がリテイクで衝撃を受けた黒夢の曲

――「NEEDLESS」のMVでは歌詞がすごく印象に残る作りになっていますが、やはり言葉を出したいという面が強かったのでしょうか。

清春:そうですね。今の時代、僕ら90年代、ナインティーズについては、ベテランというか、古いという捉え方もあるじゃないですか。それは、僕らも先輩に対して思うことですけど。

だけど、世代関係なく唯一の共通項として、日本語がある。若い子たちでも「字は読めるでしょ?」って。黒夢が、何を歌わんとしていたか。

現代には、どんどん丸くなっていくエンターテインメントがある。僕らが何の規制もなく音楽を作っていた頃、テレビで何を言うか歌うかもほとんど自由だった頃。

「NEEDLESS」は言葉だけ見ると、そんなに尖っていないんだけど、ロックバンドの歌詞って、本当はこうだったんじゃないか、というのも同世代の人たちが思い出してくれたらいいし、若い人には「なんだこれは」と思ってもらってもいい。

言っていることは、ある種、幼稚でもあるけど、それを50代の大人が、堂々と歌詞を出している感じを変に思ってもらえたらいい。普通はもっと大人っぽく感じさせるアプローチをしていくと思うんですけど、そこは気にしていないですね。

――当時歌っていたときの感覚と、今歌っているときの歌詞に対する思いは違いますか。

清春:違いますね。だって、「大人から逃げたくて」って言っても、今の僕らの方が全然大人なんですから(笑)

――ファンの方たちはどう聴くと思いますか?

清春:多くの人は当時と比べて聴くと思うんですよね。で、そしてそれは、この30年間を生きたということ。

この年齢になって、僕らもそろって、再びプレイして録れたというのもすごいし、それを無事に聴けた人たちもすごい。肉体的にもすごいし、聴ける状況に精神があったということもそう。その気持ちの若さ、気持ちのある部分が老いなかったというところは、すごいと思う。

これが、若い子たちには一番できないことですよね。若い子たちには“30年後”はあっても“30年前”はないんだからさ。

――人時さんは、清春さんの歌詞を一番近い場所で聴いてきたと思うんですけど、好きなフレーズはありますか。

人時:え、聴いてきたかな…?(笑) 歌詞というと少し違うかもしれないけど、今回、曲を制作しているときに歌を最初に聴いたのが「LAST PLEASURE」で、それを聴いた瞬間に、「すごく追い込んだんだな」と感じましたね。

今の自分が出そうと思っていること、その尖り方やニュアンスの出し方、行ききっている感じが、自分が想像していたよりもはるか上にあった。まさかここまでしてくださるとは、というか。

清春:ほぉ。

過去最大規模のライブを控える黒夢
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人時:それを聴いて「もう大丈夫」みたいな気持ちになりました。そこが今回一番衝撃的。歌を録音している現場には行っていないんですけど、聴いただけで想像がつくというか、いや、自分が想像していたよりもすごかったんですけどね。

清春:変わったことはわかりやすいよね。お互いが成長して、スキルもついたこととか。

後編では、50代になった現在の2人の関係性、清春が感じる人時の存在の大きさ、そして“終わり”を意識しながらもなお求められ続ける黒夢について聞いた。

取材・文/ライター神山

◆リリース情報
リテイクアルバム
『CORKSCREW 2026』
『Drug TReatment 2026』
2026年7月15日(水)同時リリース
https://www.yamahamusic.co.jp/s/ymc/search/discography?ima=0000&ct=1&arti=281

◆ライブ情報
【黒夢 THE PERFECT DAYS TO DIE】
2026年7月17日(金)TOYOTA ARENA TOKYO
2026年7月18日(土)TOYOTA ARENA TOKYO
2026年7月19日(日)TOYOTA ARENA TOKYO
2026年9月6日(日)東京GARDEN THEATER
https://kuroyume.tokyo/information/the-perfect-days-to-die/