18日間の勾留後、体重は10キロ減少

「釈放されたあの子が私にしがみついてきたときに崩れ落ちる感じがありました。ごつごつした骨が当たるくらいの細さになって、7月なのに『寒い寒い』と言って長袖を着て、歩くのもふらふらで……」

亡くなったるなさん(仮名)の母・A子さんはそう言って声をつまらせた。

A子さんが責任者を務める障がい者支援施設のスタッフだったるなさんは、昨年6月17日、施設利用者に暴行した容疑で、別の成人男性スタッフBさんとともに明石警察署に逮捕された。

2人は容疑を否認。神戸地検検事が求めた2回の勾留延長を神戸地裁が認め、るなさんは女性留置場がある小野警察署で計18日間勾留された。

元気だった頃のるなさん(仮名)(写真/遺族提供)
元気だった頃のるなさん(仮名)(写真/遺族提供)
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るなさんはその期間に食事が摂れなくなった。A子さんの代理人を務める佐々木正博弁護士が逮捕当日に差し入れた「被疑者ノート」の自由記述欄には、「ショックで食べれない」との記述がある。

7月3日には2度嘔吐して緊急搬送されたが、胃腸炎と診断され、輸液注射を受けただけで即日留置場に戻されている。結局地検は翌4日、勾留満了まで3日を残して、るなさんを釈放した。

冒頭でA子さんが語ったのはその場面だ。逮捕4日前に37.5キロだったるなさんの体重は釈放翌日には10キロ近く減り27.7キロになっていた。

その後も体は食べ物を受けつけず、体重は減り続けた。入院もしたが、医師からは極端な低栄養状態の体に栄養を急に入れると心不全などを起こす危険な代謝障害「リフィーディング症候群」が起きるおそれがあると説明され、治療は難航した。

釈放後、やせて衰弱したるなさん(仮名) ※「亡くなる前の状態を知ってほしい」との遺族の意向で顔を隠さず公開します(写真/遺族提供)
釈放後、やせて衰弱したるなさん(仮名) ※「亡くなる前の状態を知ってほしい」との遺族の意向で顔を隠さず公開します(写真/遺族提供)

さらに、警察に怯えたるなさんは「ママ、一緒にいて」と言って、A子さんから離れられなくなり、心的外傷後ストレス障害(PTSD)と急性ストレス障害(ASD)、神経性食欲不振症と診断された。

そして体重が19キロ台まで落ち、12月14日に亡くなった。直接の死因は「低栄養状態」と推定された。