両横綱の復活! 安青錦の大関復帰は? 見どころ満載の名古屋場所

明日7月12日、いよいよ令和8年七月場所が幕を開けます。名古屋での大相撲の会場がIGアリーナに移って2年目。今年もチケットの売り出しが始まるやいなや、瞬く間に15日間完売となりました。そんな大人気の七月場所は見どころが山ほどあります。

まず、五月場所を休場していた両横綱が戻ってきます。豊昇龍は五月場所初日の取組で、右の太ももの裏側を痛め2日目以降休場。また、もうひとりの横綱大の里は、昨年の十一月場所で痛めた左肩の回復が思わしくなく五月場所を全休。今年三月場所の途中休場に続いて2場所連続の休場となりました。しかし、両横綱ともに6月のパリ公演では元気な姿を見せています。名古屋では久しぶりに東西の横綱が揃います。

休場明けと言えば安青錦もそうです。今年の一月場所で二場所連続の優勝を果たし、堂々と大関に昇進。そのまま一気に頂点(横綱)まで駆け上がるのかと期待されました。ところが好事魔多し……。綱取りを目指した三月場所は左脚の小指を骨折し、初土俵以降初めての負け越しを経験します。カド番となった五月場所直前には左足首を痛め、全休という苦渋の決断をすることになりました。この名古屋では関脇に陥落し出直しですが、10勝以上の成績で大関に復帰できます。安青錦の実力からすれば、ふた桁の白星も難しいことではありません。左足首と小指の回復次第です。序盤、自信を取り戻せるような相撲内容で順調に白星を重ねることができれば、優勝の可能性も出てきます。

初場所で2場所連続優勝した安青錦(右)。大関昇進を果たし、三月場所では一気に横綱の期待も大きかったが……。(写真/共同通信社)
初場所で2場所連続優勝した安青錦(右)。大関昇進を果たし、三月場所では一気に横綱の期待も大きかったが……。(写真/共同通信社)
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霧島の横綱昇進確率は100パーセント? 連覇を目指した若隆景は無念の休場…

大関に返り咲いて2場所目となる霧島。大きな怪我もなく、上位陣の中ではこのところ最も順調に戦い続けています。五月場所は優勝決定戦の末、若隆景に敗れ連覇は成りませんでしたが、この七月場所は綱取りと位置付けられています。両横綱が土俵に復帰する中での優勝、そして綱取りとなると決して簡単な道ではありません。ただ、霧島には追い風のデータがあります。モンゴル出身力士で、これまで大関に昇進したのは、朝青龍、白鵬、日馬富士、鶴竜、照ノ富士、霧島、豊昇龍の7人です。おわかりですか。そうです。霧島以外の6人はすべて横綱に昇進しています。このデータを当てはめれば霧島の横綱昇進は100パーセントです。本人も「両横綱を倒し優勝して76代横綱へ」、その思いだけだと思います。初日を目前にして霧島の体調も良さそうです。期待十分です。

楽しみな話題が多い一方で、場所直前になって残念なニュースが飛び込んできました。若隆景の休場です。若隆景は、五月場所で25場所ぶり2回目の幕内最高優勝に輝きました。一度、優勝を果たした力士が幕下まで下がり、再び復活して賜杯を抱いたのは照ノ富士に次いで2人目という快挙。若隆景は4年ほど前には最も大関に近い位置にいましたが、令和5(2023)年三月場所の終盤、右膝に大怪我を負って奈落の底に突き落とされました。再建手術に踏み切ったその膝に加え、右肘にも痛みを抱える中、若隆景は現役屈指の技能で這い上がってきたのです。この七月場所、連続優勝ならば文句なしに大関昇進へ、最低でもふた桁の白星を重ねて次の九月場所に大関昇進の夢をつなぎたいところでした。ところが、名古屋入りして調整を積んでいた7月1日、佐渡ヶ嶽部屋での稽古の途中で左太もも付近を気にしながら稽古を切り上げました。師匠の荒汐親方によると、コンパートメント症候群の診断を受け、緊急手術に踏み切ったということです。またしても逆境に立たされてしまいました。

もしも今場所の展望を北の富士さんにお願いしたらどんな回答が?

「さて、今年の七月場所の展望は……」。

NHKの大相撲中継解説でおなじみだった北の富士さんに、初日の放送で「今場所の優勝争い」について話を向けても、あまり乗ってこないのがお決まりでした。拙著『粋 北の富士勝昭が遺した言葉と時代』では、舞の海秀平さんとの対談も掲載しましたが、舞の海さんも「(北の富士さんは)初日の優勝力士予想とか、千秋楽の来場所の番付とかも興味がありませんでしたよね」と語っています。もしも、今場所の展望を北の富士さんにお願いしたならば「うん、おもしろいね。両横綱でしょ。大関霧島もいいね。安青錦も巻き返すよ。若い熱海富士や義ノ富士もいいんじゃないの。予想をしても当たりゃあしないんだから、まあ、見てみましょう」……そんな答えが返ってきそうです。