終盤国会が空転…維新との連立合意に揺れる高市政権
「結局、高市総理のワガママだよね」
長年、国対畑で与野党の折衝を担ってきた自民重鎮は、終盤国会の混乱をこう見る。そもそもここまで国会が混乱した背景には、高市早苗総理の姿勢がある。
「高市総理の公設第一秘書が関与したとされるサナエトークン問題などを巡り、高市総理が6月22日の国会答弁で、『秘書の陳述書を国会に提出し、それをもって答弁に代えさせてほしい』と述べた。事実上の“答弁拒否”に、国会軽視との批判が高まり、野党は姿勢を硬化させた」(全国紙政治部記者)
野党は、高市総理が出席する衆参予算委員会の開催や党首討論を要求してきたが、自民党関係者によると、高市総理は6月24日、自民党の松山政司参院会長に対して集中審議への出席に慎重姿勢を示したという。
「国会は国会のルールの中で、決まるわけです。自民党としては、内閣はぶつくさ言わず、従ってくれという感覚もある。安倍政権時代でさえ、そうした相互理解はあった。安倍晋三元総理や菅義偉官房長官(当時)は、野党との調整役となる自民党の国会対策委員会とぶつかることはあったけど、結局は折れてくれた。
今の自民党では、そういう“常識”が通用しなくなっており、国会が機能不全に陥っている。小渕優子元経産相が、高市政権が進める消費減税と所得連動給付の組み合わせ案に反発し、自民党税制調査会の幹部職を辞任するなど、党内のまとまりにほころびもみえてきています」(前出・自民重鎮)
与党は、自民党と維新の連立合意政策である定数削減法案と副首都法案の衆院審議入りを強行。反発する野党は足並みをそろえるかたちで、委員会を欠席した。
与野党対立が激化する国会の正常化を目指し、森英介衆院議長が、7月1日に与野党幹部と面会し、副首都構想と議員定数削減の審議よりも、皇室典範改正の審議を最優先するよう求めた。
「維新にとって2法案は肝いり政策です。維新は森議長の仲裁に警戒感を高め、会期延長をしてでも、定数削減法案と副首都法案を今国会で成立させることを明記した覚書を自民党と交わす方針です」(前出・全国紙政治部記者)
麻生派出身の森氏が皇室典範改正を優先させるべきと言い出した背景に、麻生太郎副総裁の影を見る向きは強い。自民党の有力ベテラン議員はこう語る。
「麻生さんには、今回の男系男子を根幹として皇室典範改正案にこだわっているのと、維新を切りたいという気持ちがあるのだろう。2法案が今国会で成立せず、合意が反故になるかたちにもっていけば、維新は勝手に出て行くだろうと。その後で、国民民主党と一緒にやったほうがいいという判断。
そもそも、維新との連立合意政策は、高市さんが党内合意を集約しないで進めたから、自民党内がまとまるわけない。そのツケがいま来ている」
しかし、こうしたシナリオ通り進むかは未知数だ。国民民主党の古川元久国対委員長は「政府与党は約束した集中審議やQT(党首討論)をやっていない。約束を果たそうとしていない」と批判を強めている。
「自民党はこれまで、麻生氏のみならず、事務方トップの元宿仁事務総長ルートなどで、国民民主党と接触を図ってきましたが、両者に充分な信頼関係があるようには見えません」(自民党関係者)













