ロシアもウクライナを模倣し、独自の無人システム部隊を設立
2025年には250万機から400万機のドローンを製造し、2026年には年間700万機という目標を掲げている。かつて軍用ドローンは、巨額の予算を持つ超大国だけが扱える高価な兵器だった。ウクライナはその経済性を根本から覆した。
さらに巧みなのは、西側諸国の資金を取り込む「合弁生産モデル」である。デンマークは武器を供与するのではなく、ウクライナ国内の兵器生産に直接資金を投じる方式に転換した。
ドイツやリトアニア、ノルウェーもこれに続いている。戦場で実証された技術と、欧州の資本が結びついたのだ。
では、ロシアのプーチン大統領は手をこまねいているのか。決してそうではない。
ロシアもウクライナを模倣し、独自の無人システム部隊を設立した。製造コストを約1500ドルまで下げた「モルニヤ」ドローンを110万機も発注し、シャヘド型ドローンを1日300機から400機規模で投入している。
だが、両者のアプローチには決定的な違いがある。ウクライナが現場の試行錯誤から生まれる分散型のイノベーションで戦っているのに対し、ロシアは国家主導の中央集権的な大量生産に依存している。
少数のモデルを大量に作ることには長けていても、戦場の刻々と変わる状況に追従する速さで、ウクライナに後れを取っているのだ。
「ロシア軍は準備ができていない。状況は極めて危機的だ」
この差を、ほかならぬロシア軍の内部が認めている。2026年4月、当時の国防相アンドレイ・ベロウソフは、プーチン大統領に対し、ウクライナがドローン戦で「著しい」技術的優位に立っていると密かに報告したという。
ベロウソフはロシアの無人技術開発を主導した張本人である。その人物が「ロシア軍は準備ができていない。状況は極めて危機的だ」と漏らした事実の重みは大きい。
技術の進化は、戦場の風景そのものを変えた。最も象徴的なのが「光ファイバー制御ドローン」である。機体から細いケーブルを繰り出しながら飛ぶこのドローンは、操縦者と物理的な有線でつながっているため、どんなに強力な電子妨害も一切効かない。
前線では「鳥がドローンのケーブルで巣を作っている」と報じられるほど、無数の光の糸が地面を覆っているという。さらにウクライナは、電子戦の干渉を受けない気象観測用の気球を使い、攻撃ドローンをロシア軍の後方深くへ密かに運ぶ戦術まで編み出した。













