知られざる「森山家入り大作戦」

最近は誰かに誘われてライブに行ってばかりの私ですが、自分で必死にチケットを取って行ったライブといえば、最たるものはやっぱりザ・ブルーハーツになるのかな。

私が高校生だった頃はネットなんてないから。

休み時間に学校を抜け出して、一番近くの公衆電話からチケットぴあに何度も電話。

で、まんまと授業に遅れて、先生からゲンコツをくらって、反骨精神がさらに高まり、「ブルーハーツだって自由が大事だって言っているよな」と曲を聴きまくって。

「このままじゃダメだ、渥美半島にいたらダメだ」と受験勉強に打ち込み上京したっていうね。

最後に(甲本)ヒロトが歌う姿を観たのはザ・クロマニヨンズのライブ。

埼玉のライブハウスでもみくちゃになったときに「もう卒業かな」と。

年齢的な辛さから離脱したのが約20年前。

最近は参戦できていないけど、やっぱり「死ぬまでにもう一度、観たい」とは思うよね。

イラストレーター・中村桃子による連載挿絵
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森山直太朗君のライブも「もう一度、観たい」ステージのひとつ。圧倒的歌唱力といい、ひとつの物語を作り上げるようなライブの世界観といい、もうね、本当に唯一無二で素晴らしいんですよ。

ちなみに、過去には小木夫婦が私と直太朗君をくっつけようとしていた時期があって。

小木さんが森山家に入ったものの、一人じゃ太刀打ちできないから、もう一人外部から人を入れたいと。

その白羽の矢が私に立ち、彼がまだ独身だった頃、何度か食事会を開催してくれたんですけど。

私が“森山直太朗”という存在にビビりすぎちゃってね。


最初の頃はまだ、ライブを観ていなかったから、私も気軽に話せたんだけど。

ライブ体験後はもうダメだったよね。

目の前にいるこの人はすごい人だと、妙に意識しちゃって、乙女出ちゃって、謎の無愛想を発症。

小木さんの作戦は見事失敗に終わったっていうね。

藤井風君のライブもいつか観てみたいな。

もともと楽曲が好きで聴いてはいたんですけど。

歌番組で気になる年上の女性を聞かれたときに私の名前を答えてくれて。

そこから風君のことがさらに気になるようになってね。

ただ、こないだSNSを見ていたら、風君とヒコロヒーがコントをやっている映像が流れてきて。

それを見た瞬間、なぜだか勝手にフラれた気分に……。

やっぱりね、神聖な音楽の世界に邪な気持ちを持ち込んだらダメですね。

今後は邪な気持ちを捨てて、しっかり純粋な気持ちで、音楽を楽しみ続けたいと思います。

聞き手・構成/石井美輪 イラスト/中村桃子 撮影/露木聡子