「梨瑚さんがAさんの肩甲骨を両手のひらで押しました」
鬼畜の所業とも言うべきAさんの心身へのリンチについて、小西受刑囚はさらに証言を続けた。
「Aさんは『どうしたら許してくれますか?』と言うAさんに、梨瑚さんは『自分で考えろ』と言いました。『全財産あげます』と返したAさんに梨瑚さん『そんなのいらねえよ』と言い、『死ね』と30回以上繰り返し、『もう一回謝れ』と欄干の上に座らせました。
怯えるAさんを橋の内側に向けて座らせると、梨瑚さんは『こうやって』と両手で押すようなジェスチャーで私に指示をしました。川に落とせという意味だと思いました」
怖がって「やだ」と欄干から橋の内側に降りたAさんに、2人は追い打ちをかけた。
「梨瑚さんに『もう一回座って』と言われ『やだ』と抵抗したAさんに、梨瑚さんは『早く座れ』と怒鳴って座らせ、さらに『欄干の外側に行って川の方を見て』と命令しました。Aさんは嫌がって体をずらそうとしましたが、私が右の二の腕と足を、梨瑚さんが左胸と腰のあたりを押して、欄干の外側に立たせました。
両手を左右に広げて欄干を掴んでいたAさんに、梨瑚さんは『早く落ちろ。自分で死ねや』と怒鳴り、私も『落ちろや』と怒鳴りました。20回以上は怒鳴ったと思います」
Aさんは一回だけ大きく深呼吸して、前屈みに倒れ込むような姿勢になったという。そして。
「その瞬間に梨瑚さんがAさんの肩甲骨を両手のひらで押しました。Aさんは私の目の前から一瞬で消えましたが、橋の下を見るとロープか何かを掴んでいる手を見つけました。ギリギリ届くか届かないかの距離でした。手を伸ばして、引き上げようとしました。6秒ぐらいそうして、手は消えました。
『キャッ―』という甲高い叫び声の後に、『バン』という何かがぶつかった音が聞こえました。駐車場の方に向かいかけてきた梨瑚さんが戻ってきて『ユウカ行くよ』と私の手を引いていきました」













