本気でボクシングを初めて1年で日本一に

――そんな偉業を目指す竜虎選手。ボクシングを始めたきっかけは?

伯父さんが持っていた『ろくでなしブルース』を読んで、ボクシングって面白そうだなと思ったのがきっかけです。それで小6でこのジム(渡嘉敷ボクシングジム)に入ったんです。

ジムに貼られている渡嘉敷会長の現役時代のポスターの前で
ジムに貼られている渡嘉敷会長の現役時代のポスターの前で

――『ろくでなしブルース』といえば、不良漫画でもありますが、竜虎選手自身もヤンチャだった?

小学生の頃からケンカっ早いところはありました。年上相手に食ってかかったりして母親もどうしたものかって悩んでたみたいです。ボクシングを始めてからはちゃんと話し合いができるようになりましたが(笑)。

――不良がボクシングの道を目指し更生するのはボクシング漫画あるあるですね。

不良ではないですよ(笑)。それにプロになろうなんて微塵も思ってないどころか、プロの存在も知りませんでした。ちょっとやってみたいな、くらいの感じだったんですが、入ったら他の子どもたちがやってるような遊びのプログラムには混ぜてもらえず、会長にガチ練習させられて……。

――モノが違ったということでしょうか。

わらからないけど真剣にやる気がなかった僕にとっては、ほかの人たちが羨ましかった(笑)。

――本腰を入れてボクシングに向き合い始めたのはいつ頃から?

中2くらいです。それまであまりマジメに練習してなかったから週2回のスパーリングでは疲れるし血だらけになるしで、本当にイヤだった。会長からは熱心に「お前はプロになれ」と言われてましたが、ピンときてなくて。

でも、YouTuberで井上尚弥選手や畑山(隆則)さんのタイトルマッチを見て、やっぱりプロってカッコイイなと、マジメに練習するようになりました。

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――本腰を入れて1年でJCL(ジュニア・チャンピオンズリーズ)U-15の66キロ級で優勝、UJ(アンダージュニア)との統一戦(キッズボクシング統一王座決定戦)にも勝利して世代ナンバーワンに輝いています。

そこまではよかったんですけど、レベルが上がれば強い人がドンドン出てくるんです。

――減量もキツそうです。

日本ではスーパーライトまでグローブが8オンス(片方227グラム)で、ウェルターから10オンス(片方283.5グラム)なんです。会長からはウェルターを強く勧められたものの、8オンスで出たい気持ちがあってスーパーライトでプロデビューしたんですが、減量が本当にキツくて。

普段、僕は体重が76キロくらいなのにスーパーライトは63.5キロなんで、12.5キロの減量をしなくちゃいけない。2カ月に1回は試合があるから食事は常に減量食、それでも落とせるところがないから水分を抜くという生活でした。