日本が本気で世界一を獲るために必要なこと

メジャー組は全員が対応でき、国内組はほとんどが苦心した、時間という“第3の敵”。この両極端な結果からわかるように、WBCがメジャーリーグを運営するMLBのルールを基本に設定された大会である以上、今後は日本も順応の姿勢が求められていく。

大会後の4月。NPBと近藤が会長を務める日本プロ野球選手会との事務折衝でピッチクロックの導入が議題に挙がった。「前向きに検討」というお約束の対応だったそうだが、松田は「早い段階から選手に慣れてもらうほうがいい」と、選手の心情を代弁していた。

「他の国は世界基準が当たり前でやっているんでね。今回、ベスト8で負けたのは力の差もありましたけど、ルールへの適応というところも原因としてあったんじゃないかな、と。日本のプロ野球が本気で世界一を奪還したいと思うのなら、システムから少しでも早く世界に近づく努力はすべきだと思います」

今後もストライクとボールの「自動判定システム」であるABSなど、新たなルールが生まれ、国際大会で導入されるだろう。現代野球が急速に進歩するなか、未知の相手が多い短期決戦において、もはや純粋に野球だけで勝利を得られる時代ではなくなっている。

松田が警鐘を鳴らす、日本が本気で世界一を獲るために必要なこと。大きな項目のひとつとして、スピード感を持って世界基準の野球を日本にも浸透させていくことである。

松田宣浩(まつだ・のぶひろ) 1983年生まれ、滋賀県出身。亜細亜大から2005年にソフトバンク入り。豪快な打撃と堅守でホークス黄金期を支え、通算307本塁打、ゴールデングラブ賞8度。「熱男!」のパフォーマンスでも人気を集めた。侍ジャパンでもWBC、プレミア12に出場。2023年限りで現役引退。2026年のWBCでは野手総合コーチとして侍ジャパンを支えた
松田宣浩(まつだ・のぶひろ) 1983年生まれ、滋賀県出身。亜細亜大から2005年にソフトバンク入り。豪快な打撃と堅守でホークス黄金期を支え、通算307本塁打、ゴールデングラブ賞8度。「熱男!」のパフォーマンスでも人気を集めた。侍ジャパンでもWBC、プレミア12に出場。2023年限りで現役引退。2026年のWBCでは野手総合コーチとして侍ジャパンを支えた
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文/田口元気