才木とは真逆の支配力 “当たっても打たれない”衝撃データ

いわゆる「ストレート系」の速い変化球は現代野球において不可欠な球種でもあるが、質の良いストレートに加え、逆方向に変化する2種類の「ストレート系球種」を自在にあやつれる投手は滅多にいない。

これこそが、高い空振り率を生み出す重要なファクターになっている。また、近年その有効性が再評価されている「遅い変化球」も、カーブとチェンジアップの2球種を持ち球としており、投球割合こそ高くはないが要所で良いアクセントになっている。

ふたつめに挙げた「被ハードヒット率」は、打者に打たれた打球のうち「ヒットになる確率が高い=ハードヒット」とされる速度153キロ以上の打球の割合を示す。まだ3試合に投げただけだが、髙橋の27.7%という数字はかなり優秀だ。高い空振り率を誇る投手は相対的に被ハードヒット率が高くなる傾向もあるが、髙橋は真逆。

たとえば、4月7日のヤクルト戦でセ・リーグタイ記録となる1試合16奪三振をマークした才木浩人(阪神)は、空振り率14.2%に対して被ハードヒット率は44.7%。「空振りも多いが、バットに当てられたときは強い打球も多い」傾向が出ていると言える。一方の髙橋はそもそも空振りを奪えるうえに、バットにボールを当てられてもヒットになる確率が低い。

阪神・才木浩人 (写真/共同通信社)
阪神・才木浩人 (写真/共同通信社)

当然ながら、打者の出塁を許す可能性も低くなり、これがWHIP(1イニングあたりに許す走者の数)0.75という数字にも表れている。

「走者を許さない」という意味では、高い制球力も今季の髙橋の特徴のひとつ。3試合、24イニングで与えた四球はわずか5。9イニングあたりの与四球率は1.88で、奪三振÷与四球で導き出すK/BBは4.00と、ともに球界最高レベルの水準だ。

空振りが多い=球数がかさむ傾向もあるが、髙橋の場合は制球力も高いため1イニングあたりの平均投球数もわずか13.3球。3試合で2完投(2完封)という結果も、少ない球数でイニングをこなせるからこそなせる業だろう。