“日本人ファースト”の曲解がいじめの根底に?

「いじめ問題」が新局面を迎えている。

日本の小学校では外国にルーツを持つ児童が増加しており、文科省の調査ではこの10年で約2倍に増えた。

近年問題視されているのが、こうした外国にルーツを持つ児童へのいじめだという。

写真はイメージです(写真/PhotoAC)
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中国人の両親を持つ埼玉県の公立中学校に通うホウさんもいじめを経験したひとりだ。

「小学生時代、『自分の国へ帰れ!』といつも言われ、後ろから突き飛ばされたり、仲間はずれにされていました。低学年の頃は日本語の理解が乏しかったこともあり、嘘の宿題情報を教えられたこともあります。

“外国人がいじめから逃れる方法”をネットで検索しては、先生やスクールカウンセラーに相談したり、自分なりにやれることはやりました。

でも、ほとんど変わらず、 “中学生になると体格が大きくなるからなくなる”というカウンセラーからの言葉だけが希望でした。今はだいぶ減りましたが、ツラい記憶として残っています」

写真はイメージです(写真/PhotoAC)
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外国にルーツを持つ児童が在籍するクラスを複数回受け持ったことのある、神奈川県在住の現役公立小学校教諭のサトルさん(41)はこう話す。

「外国にルーツのある人へのいじめ・悪口はこの2〜3年でじわじわ増えており、外国人の人口増加を加味しても、それ以上に増えていることを肌で感じます。

スマホの普及で本人が嫌がる写真が出回ったり、塾通いの子どもが増えてストレスが溜まっている児童の急増も関係しているように思います。

昨年、6年生を受けもった際、クラスにアメリカ国籍の児童Aくんがいました。英語は話せますが、日本語はたどたどしいため、みんなとのコミュニケーションが取りづらい。それでいて、我が強く自由奔放な子でした。

そんなこともあってか、いつからかAくんがクラスでいじめに遭うようになってしまったんです。 

写真はイメージです(写真/PhotoAC)
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外国にルーツを持つ児童は、日本特有の“行間を読む”ということが苦手な子もいるうえに、言葉をストレートに発する児童も少なくないんです。

いくら多様性の時代とはいえ、子どもがこうした文化の違いを理解するのは難しい。互いの主張が食い違うことで、外国にルーツを持つ児童がいじめの“標的“になってしまうことがあります。

近年では“日本人ファースト”という言葉が、そうした児童へのいじめを助長していると感じる場面もあります」