親子の会話の時間が十分にとれないことが一因?

東京都市大学人間科学部准教授で、子どもの生活習慣について研究する泉秀生氏は親子のコミュニケーション不足を指摘する。

「親子でじっくりと話す時間が少ないことが、いじめの根底にあると思います。

たとえば、中国への好意的ではない世論に対し、親が同じような感情を示せば子どもがその影響を受けて、クラスにいる中国にルーツを持つ児童へあたりが強くなることがあります。

親は『こんなニュースがあるけど、クラスにいるBちゃんとは関係のないことだよ。たまたま、Bちゃんの母国がニュースになっているけど、BちゃんはBちゃんだよね』と、その人個人の人格で付き合うように諭すことが必要です。

写真はイメージです(写真/PhotoAC)
写真はイメージです(写真/PhotoAC)

合わせて、ニュースの背景を共に考え語り合うようにします。親が、外国について批判から入るのではなく、多角的な視点を持って話す機会を設けることができれば、子どもも見方は変わるはずです。

短絡的な情報の結びつけにより、クラスの外国人いじめにつながっているように感じます。また、偏見や表面上の情報に流されやすい子どもは、幼児期に家で親に思う存分甘えられなかった子どもに多いんです。

家事や仕事の手を止め、子どもの心を満たすために5分でも膝に乗せて抱きしめる時間を作ることも大切です」

さらに、“話す時間が限られる”という視点だけでは語りきれない、親の育児力の低下についても指摘する。

「“言いたいことはきちんと本人に伝えよう”とか“人の嫌がることをするのはやめよう“という基本的な教育をしていない親もいるように感じます。

忙しすぎて、そこまで気が回らない可能性も否めませんが、子どもへ厳しくすることを毛嫌いし、叱らない親も増えています。

写真はイメージです(写真/PhotoAC)
写真はイメージです(写真/PhotoAC)

核家族化が進み、しつけや叱り方がわからない親も一定数いるため、『叱られないからいいや』とお友達への暴言や、外国へルーツを持つ児童へのいじめにつながっているケースもあります。

人に迷惑をかけたときには改めるよう諭したり、“人の嫌がることはやめようね”ということは目を見てしっかり伝えるべきです」

一筋縄ではいかない問題が絡み合っている外国人いじめ。まずは、家庭で我が子にできることはなにか、真摯に考え向き合うべきなのかもしれない。

※「集英社オンライン」では「外国人いじめ」のトラブルに関連した情報、体験談を募集しています。下記のメールアドレスかX(旧Twitter)まで情報をお寄せください。

メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com

X(旧Twitter)
@shuon_news 

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班