直接的な暴力が減った代わりに始まった無言の監視

ナナミさんの母親は担任と学年主任と面談し、いじめへの対応を求めた。その後、加害児童らは学校から指導を受け当初のようないじめ行為は少なくなっていったという。

「直接的な行為は減ったのですが、今度は私を監視、威圧するように目の前に立って無言でジーっと見つめてきたり、私が友だちと話しているとそこに割って入って、その友だちだけに話をするようになりました。その時も私に対しては何も言わず威圧するように見つめてきていました」

写真はイメージです(写真/PhotoAC)
写真はイメージです(写真/PhotoAC)

さらに学校側の対応も満足なものではなかったという。

当時の担任は、目の前で“筆箱回し“が行なわれていたときも、ナナミさんが威圧されるなどの嫌がらせを受けていたときも注意はせず、「見て見ぬふりをしていた」とナナミさんは話す。

このときの気持ちについて「自分の味方はひとりもいないんだって絶望でした」と語る。結果的にナナミさんは7月の途中から学校に行けなくなり、そのまま夏休みとなった。

「私としては加害児童たちが近寄ってこなければ、それで良かったという思いでした。学校にはずっと行きたいと思っていて、行きたいのに行けないというのがツラかったです。学校側からは『環境を整えるから待ってほしい』と言われていて、夏休み明けに学校側の準備も整ったと言われ登校することになりました」

いじめを受ける前、小学生の頃のナナミさん(家族提供)
いじめを受ける前、小学生の頃のナナミさん(家族提供)

しかし、登校した初日から加害児童らの態度は変わらず、ナナミさんは大きく絶望した。

母親は「娘が学校に行けるように、教室へ入れるようにどんな体制をとってくれるのか」と校長に訴え続けた。具体的に、加害児童の別室指導をお願いし続けたが、校長からは「前例がない。第2の被害児童が出たら困る」等と言われ、教室に娘の居場所をつくれなかった。

その後、加害児童らは一部のいじめを認め、保護者とともにナナミさんとナナミさんの両親に謝罪を行なったが、その溝は埋まらなかった。