卒業文集につづった“本当の苦しみ”

6年生になり担任と加害児童とクラスは変わっても、加害児童が教室の前に現れた。ナナミさんは彼女らの視線に怯えた。

「新しい担任に訴えても、『私は加害児童の顔がわからない。加害児童が教室に来ても、ナナミさんに近寄っても、名札をジロジロ見て確認することはできない。相手に失礼だから』と言われてしまいました。私もみんなと一緒に普通に過ごしたいという思いをずっと持っていました。しかし、学校に行くと加害者の子たちが怖かった。

それでも、後悔をするのは嫌で無理してでも運動会や修学旅行などの行事には行っていたんです。その行事中にも威圧はされていたのですが……。結局6年生の時の担任も、その場面に遭遇しても止めてくれたりはしませんでした。いじめを受けることももちろんですが、一番ショックだったのは先生が何もしてくれないことでした」

小学生の頃のナナミさん(家族提供)
小学生の頃のナナミさん(家族提供)

ナナミさんはその後不登校となり、そのまま卒業式を迎える

学校に通いたいと思う子が学校に通えない。なぜ誰も手を差し伸べられなかったのだろうか。“第三者の目”からはどう映ったか。今回のいじめ問題に尽力した市議が語る。

「この件はいじめ防止対策推進法の『重大事態』に当たるとされ、市教育委員会が第三者委員会を設置しています。いじめに関することは学校側も認めていたので、当時の対応の検証と再発防止という観点でした。

私自身も当時、被害者側や学校側と話をしていましたが、学校側は当初このいじめを軽視しているフシがありました。まったく何も対応をしていなかったわけではありませんが、被害者側と加害者側の気持ちを配慮しようとして、結果的に後手、後手に回っている印象でした。

そもそも学校の校長先生の多くがこうしたいじめ問題が起こった際の対応に関して知見がないというのも問題だと思います。対応ひとつで被害者のその後の人生は大きく変わることだってあるんですから」

写真はイメージです(写真/PhotoAC)
写真はイメージです(写真/PhotoAC)
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インタビュー中、ナナミさんは「いじめを受けてからずいぶん月日が経ったのですが、私はまだ過去の事が足かせになって生きている」と語る。

中編ではナナミさんも味わった、校長がおこなった「卒業文集改ざん問題」について詳報する。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班