Aの住所に建っていたのは「築浅の一軒家」

「私は子宮内膜症の影響もあり妊娠しづらかったのですが、Aは妊活に協力的でした。タイミング法も理解してくれたし、伊勢神宮で子宝祈願の絵馬を書いたりもしました。ようやく妊娠したのは昨年8月でした。そのときは、ただただ嬉しかったです……」

交際中に訪れた伊勢神宮(写真/園田さん提供)
交際中に訪れた伊勢神宮(写真/園田さん提供)

だが妊娠報告をした時のAの反応には少しの違和感があった。

「妊娠したよと伝えると『えっ!ありゃ〜』と驚いていました。嬉しくないのかと聞くと『そんなことないよ』と言ったものの、何か引っかかりました。私はすぐにでも婚姻届を出しに行きたかったですが、なんだかんだとはぐらかされ、10月に婚姻届をAに渡しに行った時に衝撃的なことを言われたんです」

Aの発言をまとめるとこのようなものだ。

《実は婚姻届出したら捕まる。籍が抜けてなかった。不倫でも風俗でも行っていいと嫁に言われてて、◯◯(園田さんの名前)の前にも複数の彼女がいて、有責配偶者だから自分から離婚できない。でも10年別居してるから、弁護士に頼んで離婚調停するから少し待って》

この時は園田さんも突然の言葉に理解が追いつかず、Aを問い詰めなかった。ただAは「不倫じゃないし何も悪いことしてない。なんなら嫁が浮気相手みたいなもん。婚姻届は俺が持っとく。今度必ず一緒に出しに行こう。晶子は何も心配せず子どもを産んで一緒に住もう」と言ったのだという。

園田さんとAの婚姻届は提出されることはなかった(写真/園田さん提供)
園田さんとAの婚姻届は提出されることはなかった(写真/園田さん提供)

すでに退職して実家に戻っていた園田さんは、Aから『両親の介護を理由に実家に帰る』と言われ、一時的に同棲を解消していた。嫌な予感がした園田さんが婚姻届に書かれたAの住所を初めて訪れると、そこは古い日本家屋の母屋の隣に建てられた築10年ほどの一軒家だった。

「明らかにお子さんもいる家で、恐る恐るインターフォンを鳴らすと奥さんらしき人が出てきました。その後、Aも出てきて。『外で話す?』と言ったAの腕を奥さんがガシッとつかんで『ここでは話できませんので!』と言われ、結局3人で近くのコンビニの駐車場まで行き、20時から翌朝5時まで車内で話し合いになりました……」

“独身偽装”したAと被害に遭った園田さん(写真/園田さん提供)
“独身偽装”したAと被害に遭った園田さん(写真/園田さん提供)

話し合いの序盤はAとその妻による夫婦喧嘩だった。

Aの妻「浮気はともかく子どもを作るのは違うやろ!」
A「お前が離婚してくれたらええんや!」
Aの妻「フツーに仲良くしとって問題ないやろ!」
A「この子はいい子なんや! お前みたいにキーキー言わん」
Aの妻「私は絶対離婚はせん」
A「うるさいんじゃ。お前みたいなババアはもう嫌や!」

園田さんはAのあまりに身勝手な暴言に呆然とするしかなかったが、Aの妻から「子どもができたとはいえ私はあなたを訴えられる」と言い放たれ、目の前が真っ白になった。