野田氏は「争点かき消されたんじゃないかな」 

街で話を聞くと、八王子で山口・公明党特別顧問らの街宣を聞いた20代の女性Aさんは、

「私たちが頑張ってバイトとか色々しながらお金を稼いでる中で、国を守っていくっていう立場の方がお金を、よく言えば賢く、でもすごく悪く使っている。それはやはり一生懸命頑張ってる私たちは馬鹿みたいじゃないですか」

と裏金問題に怒っていた。連れ立って来た友人の20代女性Bさんも、

「裏金って言うけど要は脱税なので。そういう犯罪行為が党の中でまかり通ってたのも許せないですし、まだ話が終わってないのに(当人が)また国の中枢に行こうっていう甘い考えが、本当に何を考えてるのかなって感じます」

と憤りを口にした。

2月7日、選挙戦最終日の萩生田光一氏の街頭演説に現れた抗議のプラカード(撮影/集英社オンライン)
2月7日、選挙戦最終日の萩生田光一氏の街頭演説に現れた抗議のプラカード(撮影/集英社オンライン)

ただ、こうした声が結果に現れなかったのが今回選挙の現実だ。

解散時の172議席が49議席に激減した中道改革連合の野田佳彦、斉藤鉄夫両共同代表が自身の引責辞任に触れた9日未明の記者会見で、集英社オンラインは両代表に「有権者はこの問題を今どうみていると選挙戦で感じたか」とたずねてみた。野田氏は「有権者は決して関心がなかったわけではないと思う」と言いながらこう話した。

「政治とカネが争点になるとか、消費税が争点になるとか、物価高が争点になるとか、外交が争点(になるとか)じゃなくて、『そうじゃない(問題じゃないとは思わない)けど高市総理を支持します』というような空気で、全部なんか争点かき消されたんじゃないかなという印象を持ってます」

斉藤氏はこう回答した。

「公明党が(自民との)連立離脱した最大の要因はまさにこの『政治とカネ』の問題でした。(自民党からは)何ら説明がなかった。今回の総理の解散会見の中でも言及はひとつもありませんでした。そういう意味では大変残念だった。そして実際この問題、選挙戦で大きな関心事にならなかったというのは事実だと思います。そういう意味では残念です」

2月8日、衆院選惨敗を受けメディアの質問に答える中道の野田佳彦(左)、斉藤鉄夫の両共同代表(撮影/集英社オンライン)
2月8日、衆院選惨敗を受けメディアの質問に答える中道の野田佳彦(左)、斉藤鉄夫の両共同代表(撮影/集英社オンライン)
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9日、大勝後初の記者会見で高市首相は、裏金事件に関与した候補が多く当選したことに絡み「政治とカネの問題で国民の理解が得られたと考えるか」と聞かれると、「今回の選挙で国民の皆様の理解を得られたと申し上げる考えはございません」と返答。

しかし「このような問題を2度と起こさないことが大切であります」「新しい事実があった場合には厳正に対処してまいります」と応じ、過去のことは問わない姿勢を改めて明確にした。

裏金を問題視してきた最大野党が壊滅的な敗北を喫したいま、問題はこのまま収束するのだろうか。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班