障がい者支援団体は「リスクは大きい」と懸念

市民や利用者から不安や懸念の声があがる西武鉄道の遠隔対応駅化。西東京市で活動する障がい者支援団体の担当者は、昨年末に西武鉄道が公表したリリースで遠隔対応駅化について初めて知ったという。

「12月25日のプレスリリースで知ったときは『寝耳に水』という状態でした。年明けに西東京市と西武鉄道に意見書を提出し、西武鉄道へは住民説明会の実施を要望しました。

ですが『実施予定はない』という回答があったため、一つずつ不明点を確認しようと、質問状を送りました」

一日の乗降客が2万人を超える東伏見駅(撮影/集英社オンライン)
一日の乗降客が2万人を超える東伏見駅(撮影/集英社オンライン)

質問状は、「障がい者割引乗車券の購入・精算に関する質問」「視覚障がい者の駅利用と支援体制」「コミュニケーションが困難な利用者への対応」「車いす利用者・歩行障がい者への対応」「駅選定理由と安全対策」「説明会開催に関すること」の6項目から成り、障がい者やその家族が駅を利用する際に必ず確認しておきたい事項が記されている。

これらの質問に対してまだ回答はないという。

「数年前に、国土交通省から駅の無人駅に関するガイドラインが出ています。その中には地域の障がい者の方々とのコミュニケーションをしっかりとるようにと書いてあるのですが、今回こちらからの問いかけに応じてくれないのは、ガイドラインに抵触するのではないかと感じています」

国土交通省が2022年に策定した「駅の無人化に伴う安全・円滑な駅利用に関するガイドライン」では無人駅の望ましい在り方などを示しており、その中には今回の西武鉄道のように要員配置の見直しによって「一部時間帯を無人化」する駅も含まれる。

東伏見駅前の踏切(撮影/集英社オンライン)
東伏見駅前の踏切(撮影/集英社オンライン)

西武鉄道の「遠隔対応駅化」はすでに他の駅で先行実施されており、「おそらく過去に問題がなかったのかもしれない」としたうえで、担当者は次のように訴えた。

「健常者の方は今回の夜間無人化と窓口業務の終了でもそれほど困らないのではという感じはします。ただ、高齢者も含めて、社会的な弱者、特に障がい者の方はいろんな障がいがあります。インターホンをつけても全く聞こえない人や聞きづらい人、言語障がい、認知症だとか。

『インターホンで案内する』といいますが、そもそも障がいを持った人がインターホンのところまで行き着けるのか。行き着けたとしても相手の言うことが聞こえない場合もあります。その場合にどう対応するのか。やはりリスクは大きいということは、よく考えればどなたでもわかることです」

また自治体に対しても、「市民の安全を守るべきなのに、市から来た回答を見るとのんびりしているなという印象です」と話す。

「少子化や高齢化などの社会的要因によって、今後もおそらくいろいろな場面で社会的弱者が住みにくい世の中になっていくのではないかと懸念しています。今回のようなケースが安易に起こらないようにしておかないと、世の中が荒んでいくというか、強い人たちだけの世の中になってしまうのではないでしょうか」