国と自治体の対策:緊急会議と学校現場の指導強化

こうした状況を受けて、政府は緊急の対策会議を開催した。こども家庭庁、文部科学省、総務省、警察庁など6省庁が連携し、その対応について3つの点で発表している。

① 各学校での暴力・いじめの再確認

三学期中にアンケート調査や面談を実施し、見過ごされている暴力行為の有無を確認するよう教育委員会に指導。

② SNS事業者との連携強化

暴力動画や悪質な投稿については、利用規約に基づいて削除要請・迅速な対応を求める方針が打ち出された。

③ 被害者支援・相談窓口の周知

暴力・いじめを受けた児童が相談しやすい環境づくりとして、複数の相談窓口を学校や地域で周知する取り組みが進められている。

これらの措置は単なる「炎上対策」ではなく、教育現場全体の安全性向上を目指すものとして位置づけられている。

では、なぜ「いじめ」は可視化されるのか。SNSでのいじめ可視化は、単なる「情報技術の進歩」によるものではない。その背景には複合的な要因が存在する。

いじめられて泣く子ども ※写真はイメージです(写真/Shutterstock)
いじめられて泣く子ども ※写真はイメージです(写真/Shutterstock)

多くのいじめはこれまで学校内で処理され、外部には表に出にくかった。しかし、スマホの普及により、誰でも簡単に撮影・投稿できるようになった。

さらに映像やコメントが瞬時に広範囲に拡散されることで、社会の関心が高まる一方で、誤情報や過激な批判が加熱しやすい構造もある。法的リスクを知らないユーザーが投稿を繰り返すことも、問題を深刻化させる一因となっている。

自治体レベルでも、いじめ対策に関する議論や取り組みが進む。学校内での信頼関係づくり、相談体制の強化、教職員への研修が重要とされている。

具体例として、「生徒・保護者向けの情報モラル教育」「いじめ発覚時の迅速な対応体制」「学校内でのカウンセリング強化」などが検討されている。