会社がIPを保有するという強みがあったが…

タレントのマネジメントの難しさも表面化している。

2025年はホロライブの紫咲シオン、がうる・ぐら、天音かなたなどの人気VTuberが相次いで卒業した。にじさんじも奈羅花や虎姫コトカなどが卒業している。

2025年には「にじさんじ」初の展覧会も開催された © ANYCOLOR,Inc
2025年には「にじさんじ」初の展覧会も開催された © ANYCOLOR,Inc

かつてYouTuberマネジメント事務所のUUUMやVAZから大量の離反者が出たことが騒動になった。VTuberは事務所がIPを持っているために同じ轍を踏むことはないと見られていた。しかし、実際は食い止める力としては強くないことが明らかになりつつある。

ホロライブのカバーは、タレントと個別・グループ面談を実施し、個人の悩みや活動の意向を丁寧に拾う努力を重ねている。タレントの中には会社との方向性の違いで卒業をすると公言するケースもあり、心理的なケアの重要性が増しているのだ。

VTuberは日本のエンタメコンテンツの中でも、とりわけ注目度の高い産業だ。推し活消費が活況なこともあり、カバーもANYCOLORも上場以来2桁の増収を重ねている。エイベックスやグリーがVTuberの育成に力を入れるなど、市場が拡大する兆候もある。

炎上騒ぎが繰り返されることがない、業界の健全な発展に期待したい。

取材・文/不破聡  写真/shutterstock