制作費3000万円のイライラ棒は破格だが…

だが、そうであればなおさら、「なぜ炎チャレでなければならなかったのか」という疑問が残る。イライラ棒以外の企画は大きく変更され、懐かしさは弱い。一般参加者はいない。ウッチャンナンチャンもそろっていない。

MCに内村光良の姿はなく…( (C)産経新聞社)
MCに内村光良の姿はなく…( (C)産経新聞社)
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こうした状況で炎チャレの看板を使う意義、視聴者にとっての意味はどこにあったのか。番組の最後まで見ていても、私にはその答えは得られなかった。

――と、いろいろ批判的めいた話をしてきたが、そんな今回の炎チャレで、個人的に平成前半を強く感じたポイントがある。「量」の情報が目立った点だ。

イライラ棒の制作費は3000万円。制作期間は3か月。クイズ企画の撮影期間は1か月以上。かくれんぼ企画ではスタッフの現地入りが22日間。当日のスタッフ数は200人。カメラは263台。こうした数字が随所に挟まれていた。番組進行上のセリフと思われるが、出演者のこんなコメントも聞かれた。

「正直、めちゃめちゃお金かかってます」「こういうテレビがやりたかったです」

平成前半の空気を何より感じたのは、こうした「量」の誇示だ。テレビだけバブルが続いていたようなあの空気。制作費の大きさを番組サイドが競うように前に出していた時代だったな、と。

ただ、踏襲するのがよりによってそこなのか、という違和感は残る。そして、その「量」も今や平成の比ではないことを、制作側自身がいちばんわかっているはずなのに、とも思ってしまう。

文/飲用てれび