自意識過剰だと思われることへの不安

のしいかさんは、こんな点にも思いを巡らせていた。

「うちの書店はビルの上の方にあって、彼女は何階も下からつけられていたそうです。もしかしたら、不審な男性が一人の女性を追いかけているのを、何人もの人が見ていたかもしれない。でも、誰も気づかなかったのかな、と考えてしまいました」

もし異変に気づいた人がいたのなら、ターゲットが自分でなくても、被害者が勇気を振り絞ってSOSを出す前に、周囲に知らせてほしい──そう語る。

周りがSOSを気づくためにも
周りがSOSを気づくためにも
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助けを求める側が「自意識過剰だと思われるかもしれない」と不安を抱える一方で、助けを求められた側が「気のせいでは」と受け流してしまえば、その声は届かない。

日常のなかに紛れた小さな声かけ。その裏にある事情に、少しだけ想像力を向けることが、誰かの安全につながるのかもしれない。

取材・文/集英社オンライン編集部