「児童生徒の安全確保」の知らせを出した矢先に、また教師の不祥事

水藤被告のおぞましい犯行内容が明らかになった初公判。本人は「本当に反省しています」と述べたものの、児童はもちろん保護者らの不安が消えることはない。

水藤被告と同じグループのリーダー的存在で、現在、名古屋地検などで取り調べを受けている森山勇二被告(42歳)が以前に勤務していた小学校に娘を通わせていた母親は言う。

水藤被告のプロフィール
水藤被告のプロフィール
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「その反省の弁は本心なのでしょうか。そういった性癖は1日や2日でできたものではないと思うし、これから反省し、自分が行なった異常な行動を専門機関などの治療を受けるなどして改善してほしいです。そして2度と子供に関わる職業には就かないでほしいです」

この母親は、このような変態行為を行なう教師らにこんな怒りを述べた。

「こんなおぞましい事件で大騒ぎの最中に、愛知県の公立中学校に勤める体育講師が、プール更衣室で着替え中の女子生徒を盗撮して逮捕されたなんてニュースを見て、2度びっくりですよ! 今の教育現場はいったい、どうしてしまったんですか?」

森山勇二被告
森山勇二被告

この事件は愛知県教育委員会が盗撮などを防ぐためのガイドラインの周知徹底を通知した直後に起きたことである。社会部記者は言う。

「実は、16日は教師による不祥事発表が大変慌ただしかった日でした。愛知県教委はこの日、3人の教諭を懲戒処分したのです。

うち一人は、県北西部の公立中学校の20代男性教諭で、去年12月にSNS上で同校の女子中学生とやりとりを始め、今年2月から3月にかけて校外でキスしたり抱きしめたりしていたことが発覚し、懲戒免職処分としたと発表しました。

このほかにも、北名古屋市立の小学校の臨時教諭(34歳)が知人女性にストーカー行為をした事案と、尾張旭市の小学校の男性教頭(48歳)が他校の女性教員の頭を触るなどのセクハラをした事案を発表しました。これらの3教師には懲戒処分や停職処分、減給処分などが下されました。

そんななか、同日に愛知県みよし市の中学校の常勤講師・須崎佳祐容疑者(24歳)が逮捕されました」

須崎容疑者は勤務先である中学校からの評価が高く、2年生を担当しており、サッカー部の顧問もしていた。また“保健体育の先生”として近隣の小学校の講師も務めていた。

「7月16日、水泳の授業終了後に女子更衣室で着替えていた生徒複数が、隣の管理室との壁上部のスキマから、かざされていたスマホを目撃。その場で授業をしていた者に報告し教頭が聴取、その後、任意同行、逮捕となりました」(前出)

盗撮されたとされる現場
盗撮されたとされる現場

これにはさすがに愛知県教育委員会の担当者も消え入るような力のない言葉でこう説明するほかなかった。

「愛知県教委から市の教育委員会には『児童生徒の安全確保および教職員に対する信頼回復に向けた取り組みについて』といった通知を出していた矢先のことでした。ほかにも、一人一人の教員に不祥事に関わる行為をしていないかどうかのチェックリスト検査や、『信頼される教職員であり続けるために 不祥事防止に向けて』と題したリーフレットを配りました。

この通知を出した直後にみよし市の学校の事案が起き、県教委としては非常に残念です。今後、このようなことが二度と起きないようにさらに呼びかけていくしかないかなと思います……」