火事の意外な後遺症…

――お見舞金もありました?

トミサット 見舞金も合計でそれぞれ10万円以上にはなったと思います。金額は人それぞれでしたが感謝しかありませんね。

ホセ ハナコの岡部さんが、コンビニのATMで5万円をおろしてきて渡してくれました。優しい先輩です。相方の菊田さんはなんもしてくれなかったですけど(笑)。

――そして半年後、新居で再集結を?

ホセ また下北沢の近くになりました。

トミサット 2DKで前より広い。でも結局木造。鉄筋は予算オーバーで無理でした。

コモダ ちなみに元のアパートは、更地になって、新しいマンションが建っています。

――火事を経験して変わったことは?

コモダ 大抵のことに動じなくなった。これ以上の底はないから。芸人仲間から面白い話を聞いても、「こいつ家燃えてへんし」って、ちょっと下に見ちゃいます(笑)。

ホセ 人生で一番の絶望を経験したから、怖いものがなくなりましたよ。全部なくなっても、人は笑えるし、飯はうまい。物よりも大切なものがある。それを教えてくれたのが、あの火事でした。

新居にて。(左から)新居にてポテトカレッジ・コモダドラゴン、センチネル・トミサット、豆鉄砲・ホセの3人 写真提供/豆鉄砲・ホセ
新居にて。(左から)新居にてポテトカレッジ・コモダドラゴン、センチネル・トミサット、豆鉄砲・ホセの3人 写真提供/豆鉄砲・ホセ
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 ――今後の目標は?

全員 火事の話をネタにして売れる!

コモダ 火事になったアパートの上の階にお住まい方に、芸人さんなら笑いのネタにして欲しいと言われましたし。

ホセ 「住まいが全焼した芸人」って、最強の肩書きじゃないですか。

コモダ ワイら、燃え尽きん。ここからや。

トミサット 灰の上から、必ず這い上がります。

ホセ ほんとに芸人で良かったです。ネタにできる。周りもちょっといじってくれる。それで救われました。

トミサット 一般の人だったら、ただ心配されるだけで辛かったと思う。

コモダ 芸人はほんま優しい世界です。

取材・文・写真/全夏潤

<プロフィール>

豆鉄砲・ホセ
東京都出身、1993年11月30日生まれ。ワタナベエンターテインメント所属。漫才のツッコミ担当。ワタナベお笑いNo.1決定戦2023王者、ツギクル芸人グランプリ2025王者。

センチネル・トミサット
東京都出身、1993年4月13日生まれ。太田プロダクション所属。漫才のボケ担当。日本人とウガンダ人の間に生まれたハーフ。2025年にはM-1グランプリ準決勝へ初進出。

ポテトカレッジ・コモダドラゴン
愛媛県出身、1991年3月15日生まれ。ライジング・アップ所属。男女お笑いコンビのボケ担当。漫才では「世の男の代弁者」を自称している。