富裕層にはアウトドア好きが多い

富裕層にはアウトドア好きが多くいます。アウトドアは、アメリカの調査会社「Wealth-X」が、3000万米ドル以上の資産を持つ超富裕層を対象にした「世界の超富裕層の趣味・関心事」の6位にランクインしています。

実際、領収書を見るとゲストハウスを自然豊かな場所に所有し、旅先でリフレッシュをしています。

高級リゾートやラグジュアリーホテルを好むのも、自然の中に身を置き、風や光を五感で感じる時間を大切にしているからです。彼らにとってのバカンスは、アクティブに出歩くのではなく、泳いだり、読書をしたりしながら自然の中で「自分を整える」時間です。

富裕層がアウトドアを好むのは、それを単なるレジャーではなく、「自然とつながることで本来の感覚を取り戻す手段」だと理解しているからです。

都市の喧騒や情報過多のビジネス環境に身を置く彼らにとって、自然に戻る時間は「リセット」の機会です。奪われつつある本来の身体性を取り戻そうとするかのように、時に山に入ったり、自然の中を歩いたりして、研ぎ澄まされた感覚や直感を再び呼び覚ますための時間でもあります。

自然に触れて心身のバランスを整える 写真/shutterstock 写真はイメージです
自然に触れて心身のバランスを整える 写真/shutterstock 写真はイメージです

たとえば、キャンプや登山、セーリング、乗馬、スキーといったアクティビティは、一見優雅に見えるかもしれませんが、実際には「自然の摂理に身を委ねること」や「不自由さを楽しむ力」が求められます。その不自由さの中でこそ、五感が研ぎ澄まされ、判断力や集中力が戻り、自分の内側にある人間らしさが立ち上がってくるのです。

そうした感覚を大切にしているからこそ、子どもにもスポーツやアウトドア体験を積極的にさせる家庭が多く見られます。富裕層にとってのアウトドアとは、ただの娯楽ではありません。

それは「自分を整え、人間としての身体性や感覚を取り戻すための投資」なのです。