「中国が⽇本に新たなパンダを貸与することは恐らくないだろう」
シャオシャオとレイレイは昨年9⽉に中国に返還されたリーリーとシンシンの⼦で、上野動物園で生まれた。
2頭は現在「中国野生動物保護協会」と日本側が共同で繁殖などの研究を行なう「パンダプロジェクト」の一環として、有償で日本に貸し出される形になっている。ただ、その金額は秘密にされている。
上野のパンダは日中の国交が正常化した1972年、中国政府からランラン(メス)とカンカン(オス)が贈呈されたのが起こりで、その後、貸与方式に代わったが絶えることなく来園者たちを楽しませてきた。
シャオシャオとレイレイの貸与期限は来年2月で、検疫の問題もあり返還が前倒しされた。問題は交代のパンダが来ないことだ。
担当の東京都公園緑地課は「中国野生動物保護協会には『今後もこのパンダプロジェクトを継続していきたいと思ってます』とは伝えています。国を経由して何か伝えているということは特に承知していないですが、協会には(こちらの意向は)伝わっています」というが、現状、正式な回答はない。
だが中国は直接の回答をしなくとも高市早苗首相の台湾有事発言から始まった日中の緊張激化をパンダの貸与中断に結び付けることを隠していない。
高市首相発言から12日後の11月19日、北京市共産党委員会機関紙、北京⽇報は中国の対日政策研究者が「中⽇間の緊張が続けば、中国が⽇本に新たなパンダを貸与することは恐らくないだろう」「⽇本はパンダがいなくなる状況に直⾯する」と発言したと報道しているのだ。
「今年4月に超党派の日中友好議員連盟が訪中した際、パンダの新規貸与を中国側に求めています。当時中国外交部は『日本が中国の保護事業を支持することを歓迎する』と表明しており、パンダを巡る態度は高市首相発言を機に180度変わってしまったようです」と全国紙外報部記者は話す。













