「夜遅い時間帯に犬小屋を運び出しているのを見かけました」

事件から9ヶ月。現場となった一宮市内の一軒家を改めて訪ねた。インターフォンは押しても無音で、接続が解除されているようだ。

駐車場周りには脚立などが整理して置かれているが、駐車場を照らすライトが割れたまま放置されている。同居していた両親や兄妹の姿はなく、人気も感じられない。郵便受けには1週間分ほどのDM類が入っていたが、溢れかえるほどではないので定期的に誰かが訪れているのかもしれない。

江口容疑者の自宅(撮影/集英社オンライン)
江口容疑者の自宅(撮影/集英社オンライン)

近くに住む50代の女性は取材にこう答えた。

「事件の後、ご家族みんな見かけなくなって、それきり一度も見かけてないですよ。部屋の電気がついていたり、駐車場に車が停まっているところも私は見たことないですね。

真先くんのことは顔も知っている子でしたので驚きましたし、『何であんな事件を起こしたのかしらね』って近所の人とも話したりもしましたけど、今はもう話題にする人はいないですね。あの時はマスコミもたくさん訪れていましたが、ここ最近は誰も来ませんしね」

別の女性住民もこう肩をすくめた。

「事件直後からご家族みんな見かけなくなりましたし、引っ越されたのだと思いますよ。ただ、豆柴が取り残されていて、しばらく鳴き声が聞こえていて心配していたんですけど、江口さんが引き取っていかれましたよ。夜遅い時間帯に犬小屋を運び出しているのを見かけましたから。

ただ、その後はまったく家に誰かがいる様子もないし、駐車場に車が停まっているということもありません。何もわからないですね」

江口容疑者の自宅
江口容疑者の自宅
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オンラインゲームでは「気性が荒かった」江口容疑者だが、リアルを知る中学時代の男子同級生はこう振り返った。

「正直、事件の前もおとなしいやつという印象があるくらいで、真先がどんなやつかって俺はよくわからなかった。事件直後はびっくりしたとかそんな話はしたけど、今はもう事件の話自体もしないし全然わからないよ」

9ヶ月前に起きた凄惨な事件と対照的に、いまは静かで人気のない一軒家。この家で何があったのかは今後、公判で明らかになるだろう。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班